第二十話
「プールサイド」
ある朝。
いつものように食堂で朝食を時雨と咲也がが一緒に採っていると、珍しく柚槻が眠そうなあくびをしながら食堂に入ってくる。
「あ 柚ちゃんだ」
「柚ちゃんー」
わらわらと柚槻にじゃれていく幼年組に混じって時雨と咲也も例に漏れず柚槻に寄っていく。
「柚ちゃんが朝ごはん食べに来るの珍しいね」
いつも朝は食べず昼まで眠っているのを知っているので眠そうながらも朝食を選んでいく柚槻に興味津々。
「昨日の夕方から客が入ってて食ってねぇんだよ…流石に腹減って眠れねぇ」
ぶっきらぼうに答えて時雨と咲也と同じテーブルにつく。
「こうやって一緒に食事をとるなんてほんとに久し振りだよね」
テーブルで向かい合ってニシシと柚槻を見ながら、時雨は朝食に手をつけていく。
今日は洋食を選んだようで、お皿の上にはクロワッサンやワッフルがのせられている。
そして平然とメイプルシロップをかけ流していく。
「おい… なんだその甘ったるそうなのは…」
時雨と同じく洋食を選んだが辛党の柚槻は全く逆にガーリックトーストやベーコンエピをかじりながら、時雨のメイプルシロップに眉を寄せる。
「いつも…こんななんですよ…」
時雨の横で和食を選んだ咲也がお味噌汁を飲みながら苦笑いで答える。
柚槻や咲也の怪訝な顔を余所目に、美味しそうにメイプルシロップまみれのクロワッサンを頬張る。
そして喉をうるおす紅茶も、たっぷりガムシロップが混ぜられている。
いかにも幸せそうに甘味を味わう時雨は、常人には理解し難いものがあるだろう。
「んー、朝の甘いものはいいですよねー。
なんというか力が漲る」
「朝の…って… 毎食そんなじゃない…」
時雨の言葉に咲也はさらに苦笑いして。
「手前が甘いもの好きなのは知ってたけど ワッフルは100歩譲っても クロワッサンにシロップはねぇなぁ」
呆れたように時雨が食べ進めていくのを眺めながら柚槻はため息をつく。
「食っても太らねぇ体質なのか?
羨ましい…
俺は食ったら運動しねぇとすぐ肉になっちまうからなぁ…
お そうだ 咲也 食い終わったら組手しようぜ」
オムレツを食べながら咲也に笑顔を向ける。
「時雨もついでにしごいてやるよ」
「いいや、違うんだよ。
朝はこういうシロップ系を中心に食べるのがいいの」
と、よくわからない持論を展開しながら、ワッフルにも手をつけていく。
しかし、柚槻の一言にカチリと石のように固まってしまう。
「う…運動は絶対にヤです」
と、一言ぎこちなく発するだけ。
「僕が誘っても…ジョギングも付き合ってくれないんですよ…」
時雨が運動をしたがらないのはいつものことなのを告げる。
「なんだぁ?
時雨 もしかして運動音痴なのか?」
意外な弱点を見つけたようにニヤニヤ笑いながら時雨に詰め寄る柚槻。
「はっ…やだやだ、ジョギングなんて疲れるだけたし、僕はのんびり昼寝して、おやつ食べるのがいいの」
と、咲也の言うことに聞く耳をもたず。
「運動したことがほとんど無いから音痴かどうかもわからないですよ」
と、軽くあしらう。
「もう…そんな生活してたら太っても知らないよ…?」
諦めたようにため息をつく咲也とは逆に、運動させてみたくて柚槻が食ってかかる。
「んじゃ 色々やってみようぜ
夏だしプールとかもいいな」
「僕はあんまり太らないから大丈夫だって」
と、心配そうにする咲也をなだめる。
柚槻はなかなか諦めずに時雨に食ってかかり、それに時雨もいやに断れなくなってくる。
「はあ…、まあちょっとくらいなら…いいかな。
プールなんて小学校の時に入った以来だし」
「よーし んじゃ 食い終わったらプールだな」
ニカっと微笑み残りの朝食をパクパクとたいらげていく柚槻。
「…プールなんて…泳げるの? 時雨」
心配そうに時雨を見つめる咲也。
「多分なんとかなるんじゃない?」
と、一言で済まし、お皿のワッフルを平らげていく。
「ていうか…ここらへんにプールなんて…」
「ん? 大人組の建物の地下はちょっとしたスポーツジム並みの施設があるんだぜ?
俺と咲也がどこで組手してると思ってたんだ?」
時雨もまだ知らないことがあるんだなーっと笑い。
「へえー、初耳…。
咲也と柚槻さんって外でストリートバトルでもしてるのかと思ってましたよ」
と、若干の驚きと、期待感を表情に表して。
「ストリートって…
僕と柚ちゃんをなんだと思ってるの…
ちゃんとマットレスのあるとこだよ…」
怪我したら接客できないから充分気をつけてやっているのに
と、また苦笑いする咲也。
「どうせ水着なんて持ってねぇだろ?
貸し切るから裸で泳ごうぜ
開放感がたまんねぇ」
時雨のようにニシシと笑う柚槻。
「一応武道家なんでしょ?
ふたりとも。
武道家がいつでも戦闘態勢にどうたらこうたら…」
と、思ったことを並べていく時雨。
「わー、いいですねー。なんか野性的で」
「よし ごちそうさまっと」
食べ終わった食器の乗ったトレイを持って立ち上がる柚槻。
「んじゃ 先に貸切の手続きしてくっから
食い終わったらちゃんと歯磨きしてくるんだぞ?」
わざと時雨を子供扱いして髪を撫でながらそう言って食堂を出ていく柚槻。
「プールかぁ 僕も久しぶりだなぁ」
咲也も食べ終わりメイプルシロップを舐めるように食べている時雨が食べ終わるまで横で待つ。
「はーい」
と、柚槻のいいつけを守る子供のように、おどけたように返事を返す。
メイプルシロップを味わい、手についたのもペロペロと舐める。
「うーん、運動なんてしないといけないのかなあ…。
ん、ごちそうさまでした」
ボソボソと疑問を浮かべながら、食事を終え 咲也とともに食堂を出る。
「さ、行こうか 案内してよ」
食器を返却口に返して食堂を出る。
「本当に歯磨きはしたほうがいいよ…
虫歯になったら…
太るとか関係なしに…
甘いもの禁止するからね?」
時雨の部屋に寄って歯磨きをさせる咲也。
「もう、大丈夫だって…」
と、咲也の困ったような顔を見て、シャカシャカと歯磨きをする。
本当に虫歯になったら大変だ。
なったらなったで、ごまかさなければと思う時雨。
とりあえず柚槻の言いつけ通りに歯磨きを済ませ、咲也をうかがう。
「ん… じゃぁ 行こうか」
時雨の部屋でお客用のハミガキセットを1つ失敬して自分も歯磨きを済ませ。
大人組の棟に入ると柚槻や春陽と秋月の部屋のある方向とは逆の『関係者以外立ち入り禁止』の札のかかったお客様の来ないドアを開ける。
薄暗い階段を降りると遊郭のイメージとは全く別の設備の整ったスポーツジムになっている。
ロッカールームで服を脱いで
「本当に裸でいいのかな…」
と、どこか恥ずかしそうにタオルで身体を隠す咲也とプールへのドアを開ける。
「へぇ、ここってこんなふうになってたんだ」
時雨も遊廓に来てから日が経つが、知らない場所があったことに少し驚きの表情を浮かべる。
恥ずかしそうに服を脱ぐ咲也に対して、手早くシャツとズボンを脱ぎ捨て、下着もためらいなく脱げば、意気揚々とタオルを巻いてプールに向かう。
時雨と二人 タオルを巻いた姿でプールに入れば 先に来ていた柚槻が 一糸まとわぬ姿で迎える。
組手は何度かしたことがあるが明るい場所で裸体を見ることは初めてでその彫刻のような筋肉の整った身体に思わず目がいってしまう。
自分の貧弱な身体が恥ずかしくなり余計タオルを取りにくくするが
「おら 水の中はタオル禁止だぞ 脱げ脱げ」
と、柚槻にせかされてしまう。
「うわぉ、柚槻さんってやっぱり鍛えてるだけあって
細マッチョというか、痩せマッチョというか」
柚槻の姿を見て、素直な感想を口にする。
「やっぱり需要が違うんですかね?
僕みたいなひょろっとした子以外にもね」
と、クスリと笑いながらタオルをポイと投げる。
「うう… そういう時雨だって華奢だけど綺麗な身体だし…
脱ぐのためらわないあたりが 羨ましい…」
ギリシャの少年天使像のような時雨を見ながらため息を吐く。
…ん?少年天使像…?
なぜそう思ったのかもう一度時雨をジロジロと観察すれば華奢な全身の割にぽっこりとしたウエストに目が止まる。
「…時雨 ちょっと…太った?」
「は?」
と、咲也の一言に口をぽかんと開ける。
そんなはずはない自分の身体はいくら食べようが太らない完全無欠の肉体なのだ。
指摘されたお腹を摘んでみると…
『ふにっ』
……おかしい。
最近疲れているのだろうか。
『ふにっふにっ』
うん、これは皮だ。
きっとそうだ。
「お腹出てるなんて気のせいですよねー」
満面の笑みで柚槻に問いかける。
柚槻が時雨を前後左右から観察する。
確かに正面から見ればなんてことはない細い身体だが
横から見ると薄っぺらい胸元とは対照的におへその辺りが出っ張っていて。
「…運動不足だな 腹筋がないから食後に腹が出るんだな」
と、答える。
「…そ、そう!食後だからお腹くらいでるよね!
うん。だから大丈夫。
心配いらないいらない」
と、手をブンブン前に出して振り回して必死にアピールをする。
ぬんっ、とお腹をへこませてみるも、そこまで効果もでない。
手を伸ばしてブンブンと振る二の腕も心なしかプルプルとお肉が揺れている…
『隠れ肥満』
そんな単語が咲也と柚槻の脳裏に浮かぶ。
「甘いもの食いまくって運動してねぇんだから こうなるよな?」
と、咲也に同意を求める柚槻。
コクンと頷くしかできない咲也は苦笑いを浮かべ
「時雨… たっぷり運動しようねぇ…?」
「は、はは…」
だんだんと時雨の顔から生気が失われていく。
表情筋は引きつり、目は泳ぐ。
ゆっくりと後ずさりしながら。
「いやだあああああああああっ!」
と、絶叫しながら入り口へ疾走しようとする。
ガシッ
時雨の行動に予想のついていた柚槻の腕が時雨の肩を掴んで止める。
「さーて 何キロ泳げば取れるかなぁ
このプニプニはー?」
背中から羽交い絞めにしてプールサイドまで歩いていく柚槻。
「あ 準備運動してないですよ 柚ちゃん」
いきなりプールに入れられそうな時雨を心配して声をかける咲也。
逃走は柚槻により失敗に終わる。
人並み外れた力をもつ柚槻によって抑えつけられた時雨がかなうはずもなく。
「うわあああっ、はなせ!はなせー!
咲也っ 助けてー!」
と、半泣きになりながらじたばたと喚くだけ。
「こうやってるだけで 自分で『準備運動』してるぜ?」
ジタバタ動く時雨の動きを利用して
前かがみにしたり 足を浮かせてみたりして
時雨が『勝手に』全身の関節や筋肉をほぐしていく。
「時雨 助けてって?
まさか泳げないってことはないよね?」
にっこり微笑み咲也が時雨の顔を覗き込む。
「泳げるよ!でも動きたくないんだよー!」
にっこりと覗きこむ咲也を興奮した眼でにらみつける。
今回ばかりは敵意をむき出しにして。
「だいたい運動なんか疲れるだけだし!
気持ちよくないし」
「んじゃ 気持ちのいい運動にしてやろうか?」
背後から柚槻が声をかける。
時雨を羽交い絞めのまま片手で顎を掴み上を向かせ唇を奪う。
呼吸を止めさせそのまま倒れるようにプールに倒れこむ。
バシャーンっと派手な水しぶきを上げて二人の身体が水中に沈む。
「だから、泳がな…ふ、ふがっ」
不意に唇を奪われれば、呼吸が止まり、体が一瞬固まる。
そのすきに、身体が水の中に吸い込まれて…
…激しい水しぶきの音のあと、水中へと全身が飲まれる。
「…ぷはっ ほら 咲也も来い」
水面に顔を出し時雨を抱いたまま咲也を呼ぶ。
「はい…」
タオルを取ってプールに入ると冷たい水が心地よい。
パシャパシャと軽く泳いで柚槻と時雨のところまで近づく。
「時雨… 気持ちのいい運動だってよ?
よかったね」
くすっと微笑みながら時雨の濡れた頬に口付ける。
水面に顔を出して、恨めしそうに柚槻と咲也を見つめる。
「ううー、なんたる屈辱…」
自分が望まないのに、こうやって太っていると言いがかりをつけられ(実際には太っているのだが)二人に馬鹿にされる。
これを屈辱といわずになんというか。
「あああっ、もう泳げばいいんでしょう!」
と、半ばやけになりながら柚槻の元を離れる。
………『犬掻き』だった。
「…っぷ 時雨 それ本気じゃないよな?」
思わず吹き出しながら柚槻が後を追うように平泳ぎで余裕そうに泳いでくる。
咲也も軽くバタ足しただけですぐに時雨に追いついてしまう。
「ぬーっ、うおおおっ」
さらに手足の回転数を上げて、必死に追いつかれまいともがく。
しかし二人に叶うはずもなく。
「く、くそぉおおおおおっ」
なんだか無駄にエネルギーを消費してるようでくやしい。
「ほら 引っ張ってあげるから手 出して?」
時雨の手を取ってまっすぐ伸ばさせる咲也。
「足 支えてやるから バタ足してみろ」
足首を柚槻が掴んで水面近くに持ち上げ上下に動かす。
水泳を教えているのだが真っ裸で3人で絡んでいると、なんだか時雨が妙に色っぽい。
「うわーん、絶対ゆるさないからなー二人ともー!」
と、泣きべそをかきながら、足を懸命に動かしてバタ足をする。
(どうしてこうなった。僕はなにも悪くないのにーっっ!何の仕打ちなの〜、三人でマッパで水泳教室とかぁ…、新手の羞恥プレイですかあっ?)
「太ってる時雨って許せっか?」
足をバタつかせながら柚槻が咲也に問う。
「…太ってても痩せてても…時雨なら…
でもお客様は…スリムな時雨がお好みだと思うですよね…」
「というわけだ 時雨 これは営業のための必要なんだ 頑張れ」
ニシシっと笑って時雨を泳がせる。
「くぅ〜、お客様持ち出すとか卑怯なー!
でもでもっ、お客様が望んでるなら…
でもでもでもっ
運動なんて疲れるだけ…
でもでもでもでもっ!」
一人葛藤するなかでただ広いプールをバシャバシャと泳ぎ続ける。
100メートル泳がないうちに、息が荒くなり、動きが悪くなる。
200メートル近く泳げば水死体が一つ完成しかかっていた。
「もうバテちゃったよ… ただのバタ足なのに」
呆れたように言いながら時雨の足首を離して垂直に立たせる柚槻。
「咲也 息止めの勝負しよーぜ」
「はい いいですよ?」
「審判は時雨な? んじゃ 俺からっと」
すぅっと大きく息を吸って水中に潜り時雨の屹立を咥え込む。
水中で息を止めたまま時雨を聞こえない水音を立てながら愛撫していく。
「ぜぇ、ぜぇ…はっ…げぼ…水のんだ…」
ぐったりとした身体を立たせられると、なにやら息止め競争をしようという提案。
これはチャンス。
息を止めて潜っている間に逃げよう。
と、思っていたがそうはうまくいかない。
水中でなにやら自身に生暖かい感覚と快感…
…嫌な予感しかしなかった。
「審判は時雨…ってことは
タイムじゃなくて…
イカせるまでの時間…
ってことかな」
水中で時雨を愛撫する柚槻を見下ろしながら一応時雨が逃げないように手は握ったまま咲也が言う。
「はっ…なに…そのルール…
んああっダメだって…
横暴だ…ひぃん」
そんなこと聞いてないと首をブンブン振るが、柚槻の愛撫に顔はとろけるばかりで説得力もない。
時雨の手を取りながら 柚槻の愛撫でとろけていく表情を 複雑な気持ちで見つめる咲也。
しばらく水中で愛撫をしていた柚槻が水面に顔を上げる。
「…ぶはぁ 流石に1呼吸分じゃイカねぇか はぁ」
「ちょ…な、なにやってるんですかぁ。
ぷ、プールでなんてことを…」
普段淫乱な時雨でも場所くらいはわきまえているようで、浮き上がってきた柚槻の肩をつかんで必死に抗議する。
「咲也も、柚ちゃんになんか言わないと、ほら」
と、咲也にも同意を求める。
「え? なんで? 次 ヤルの楽しみにしてたのに」
時雨の言葉にきょとんと答えて。
「普通のプールじゃ恥ずかしいけど…
この3人だし もともと裸な時点で…
色々吹っ切れた」
と、咲也が言うと
「んじゃもう一回イクぞ」
と、柚槻がニッと笑って再び水中に沈んでいく。
最後の良心である咲也が吹っ切れてしまえば、時雨も返す言葉もなく、口をぱくぱくと動かすだけで、そのうちに柚槻が再び水中へ潜り、愛撫を始める。
「ふあ…あ…やああっ」
甘い声が波音にかき消されていく。
水中でゆらゆらと揺れる柚槻の銀髪を眺めているとだんだんと時雨がとろけていく。
もう逃げないだろうと手を離して時雨の自由にさせて様子を見る咲也。
「うう…うますぎ…もうでるっ」
全身を強ばらせて耐えてみるも、柚槻の愛撫は時雨の屹立を早くも追い詰めてしまい、腰をひくつかせれば白濁を柚槻の温かい口内に吐き出してしまう。
時雨が果てた後 白濁を飲み込み、しばらく屹立を丁寧に舐めてから柚槻が立ち上がる。
「はぁ 2呼吸でイケたか。
んじゃ次 咲也な」
とろけてふらつく時雨を支えるように抱きしめて咲也の方に向ける。
「んー… 一度イッタあとだから なかなかイカないか 感じやすいか…
どっちかですよね… うーん
少し時雨が落ち着くのを待って。
「んじゃ いきます」
息を吸って水中に潜りまだ大きさを保っている時雨の屹立に吸いつく。
「ちょ…タンマ…休ませてよう…はあっ…はあっ…あううっ…」
吐き出す言葉もむなしくスルーされ、敏感な屹立を再び吸われれば、もう諦めようと柚槻にもたれかかる
柚槻は慣れていたようだが 水中で頭を動かすとすぐに水面に浮いてしまいそうになるのを時雨の双丘に手を回し抱きつくことで抑えながら チャプチャプと水面を揺らしながら愛撫を続けていく。
だんだんと息苦しくなるが時雨の屹立もあと一歩という感じなのでこらえて愛撫を続けてみる。
「ちょ…咲也ぁ…んああっ…
またっ…でちゃう…」
なかなか浮き上がってこない咲也の愛撫を続き、敏感な屹立は硬さをまし、ひくひくと脈打つ。
「んやあああっ…あっああっ」
やがて勢いなくトロトロと白濁が流れだして。
時雨の屹立がとろけ出すと 急かすように強く吸い付き白濁を飲み干していく。
「…ぷはぁっ はぁ ぜぇ」
屹立を丁寧に掃除する暇もなく水面に顔を出し苦しそうに呼吸を繰り返す。
「おー すげぇ ひと呼吸か 咲也の勝ちだな」
へたる時雨を支えたまま咲也の髪を撫でる柚槻。
「はあっ…もう…二人とも…ひどいや…気持ちいいから良かったけど…一旦あがらせて」
くたりと柚槻と咲也に寄りかかってまるで救出されている人のようだ。
「おぅ お疲れさん」
水中の浮力もあるが軽々と時雨を抱き上げるとプールサイドに座らせる。
「咲也も休むか?」
「はい 流石に苦しかったので…」
と、3人で休憩に入る。
プールサイドに座り、まだ荒い息を整える時雨。
対して二人の呼吸はもう整っていて体力の差が見て取れる。
運動ではとても叶わない。
時雨はこのままヤられぱなしで引き下がる性ではない。
「んああ…僕も…気持ちよくしてあげる」
と、まずは柚槻の身体に密着して不意に屹立を咥える
「んお? なんだ急に」
驚きつつ水中に投げ出した両足を開き時雨の愛撫を受け入れる柚槻。
「く… はぁ 気持い… んぅ」
プールサイドにゴロンと身体を投げ出しビーチマットレスの上に横になり気持ちよさそうに時雨の愛撫に感じていく。
運動では劣るが、こちらの土俵では負けられない。
時雨もついに吹っ切れて、とりあえず報復だと言わんばかりに柚槻の屹立を夢中に咥える。
「ちゅぶ…んあ…ちゅう…う」
熱を帯びた顔で屹立を味わう時雨。
スイッチが入ってしまったらしい。
「ふ…ぅ 流石『淫乱時雨』だな
さっきまで恥ずかしがってたくせに…
はっぁ」
くしゃっと時雨の濡れた髪をなで押さえつけゆっくりと腰を振って時雨の口内を犯していく柚槻。
くちゅくちゅと淫らな音立てながら、屹立を受け入れる時雨。
ふと目を咲也のほうにやると、目で『こっちに来い』と言わんばかりに上目遣いで見つめる。
どうやら足りないらしい。
時雨の視線に気づき二人のかたわらに近づく咲也。
でもどう手を出していいのか分からず二人の姿を見つめる。
咥えていた柚槻の屹立をちゅぱっと離して、今度は近寄ってきた咲也の屹立を咥える。
柚槻の屹立は手で扱き、鈴口やカリを指でくすぐる。
ふんふんと鼻で興奮したように呼吸をする。
まるで屹立の味をテイスティングしているかのようにも見える。
「んっ ぁう…ッ」
いきなり屹立をしゃぶられ柚槻の横でビクンと身体を震わせる。
落ち着いていた呼吸がまた乱れていく。
「や…ぁ 時雨ぇ… はぁ」
「ん…、んっ…ちゅ…くす…やっぱり『こっちの運動』なら負ける気がしない…」
くすくすとしたり顔で二人の屹立を扱き、交互にペロリと美味しそうに一舐めする。
目は完全に、接客のそれになっている。
「ふうん んじゃ 俺も遠慮なく」
時雨の口が離れているあいだにビーチマットの上に上体を起こし、咲也の屹立を舐める時雨の背後に回り込み、時雨の屹立を手で扱きながら孔を指でほぐしていく。
「ん、ああっ柚槻…さん…いいっ、気持ちいい」
咲也の屹立をなめながら、自身の屹立もしごかれ、孔を弄くられる。
なんとも甘美で堕落した光景なのだろう。
ゾクリと快感に溺れながら、柚槻の愛撫に酔いしれ、咲也に愛撫を施していく。
「ふぁあ 時雨ぇ んぁ…んっ」
時雨の快感が伝わってくるような愛撫に咲也の嬌声も高鳴っていく。
咲也と時雨の様子に興奮したように柚槻が時雨の孔に屹立をあてがいヌルヌルと先走りを塗りこんでいく。
「いいよ…柚槻さん…きてぇ
いっぱいお尻犯してよ…」
擦り付けられる屹立に呼応して腰をふり、はやくはやくと急かすように柚槻の屹立をこする。
咲也の屹立も顔を動かしていっぱい出してと言わんばかりだ。
「はっ ほんと手前は淫乱だな …イクぞ」
時雨にとっては褒め言葉を吐いてから、グッと屹立を時雨の中に沈めていく柚槻。
「んぁぁ 時雨ぇ んぁっあ」
激しくなるフェラにビーチマットの上でガクガクと震える咲也。
「んやん…ふうぅ…ううーっ」
熱く長い柚槻の屹立はあの『再教育』以来で、変わらない柚槻の手管は確実に時雨を高みに登らせる。
咲也もはやくおいでよと言わんばかりに屹立を吸い上げて絶頂を誘う。
「ふぁぁッ あっあっぁぁぁ…ッ」
一番最初に果ててしまったのは咲也だった。
びくんと腰を跳ねさせると時雨の口内に白濁を吐き出す。
その屹立に時雨の口を通して柚希の律動が伝わってきてイッタばかりなのにまだ感じてしまう咲也。
「ふうううううっ…うう…くっんん…咲也ぁ」
果てたばかりの屹立を愛おしくなで、柚槻に犯されながら、上目で咲也を見つめる。
「咲也ぁ…あっあっ…咲也のも欲しいよ…ちょーだい?」
「ふ… はぁ はぁ… えっと…口…?」
孔は今まさにイカせんとばかりに柚槻が犯しているので 自分の精液で口の周りを汚した時雨の顔を覗き込む。
柚槻の屹立はまだまだ果てそうになく時雨を勢いよくパンパンと腰を打ち付けている。
フルフルと首を振り…
「柚槻さんと一瞬に…犯して…感じてたいの」
どうやら二輪挿しを求めているようだ。
しかし時雨の孔は柚槻の屹立でぴっちりと埋まり、わずかな隙間から先走りや腸液が流れでるだけ。
「柚ちゃん… どうしよう?」
柚槻の方が長けているのでどうすればいいか訊く咲也。
「んー… きっついぞ? いいのか時雨」
一応確認をとりつつ 四つん這いだった時雨を抱き上げて持ち上げると柚槻が後ろからハメながら前から咲也が入れられるように両足を広げて持ち上げる。
「んあ、いいよ…二人ともいっぺんにイかせてあげるから…」
挑戦的ともとれる言い方で、犯されながらもニシシと笑って見せて、おいでと両手を伸ばす。
「ん… 時雨…」
柚槻に腰を持ち上げられている時雨の孔になんとか先端を埋めていく。
「くは…ぁ んんんっ」
柚槻の屹立と擦れ合って 敏感になっている屹立に激しい快感が走る。
「んっあ 時雨の中…壊しちまいそうだ」
眉根を寄せながらも咲也の屹立と交互に奥へと出し入れしていく柚槻。
「うああっ…痛っ……ううううっ…!」
まるで身体が引きちぎられそうな鋭い痛みと、それ以上の快感に、涙がこぼれる。
幸い孔は切れなかったようだ。
交互に前立腺を突き上げられ、それにあわせて嬌声をあげる。
「ふあぁっ ああぁん」
時雨の孔を犯しているのに 柚槻の屹立と擦れると自分もシゴかれているような錯覚に陥り喘ぎ声を上げてしまう咲也。
二人を同時に犯しているようで興奮したように柚槻の動きが激しくなっていく。
次第に痛みも快楽と入れ替わり、強烈な電流が脳髄に響くように、腸壁は快楽を感じとっていく。
涎をだらしなくたらして息を荒げて二本の屹立を咥え込む姿をなんとも淫靡な光景。
疲れも合わさって声をあげる以外に、手足を動かすことすらままならない。
「あぁ…ん ふぁ 時雨ぇ んぁ…っ 柚ちゃん はぁ イッちゃうよぉ…っ」
絶頂が近づき立っているのが辛くなりガクガク膝を震わせながら 柚槻に抱えられている時雨に抱きついて耐える。」
「くはぁ 俺も流石に… やべぇ」
きつく締め付ける時雨の孔と一緒に擦れる咲也の屹立の熱さに目眩を起こしそうな快感を感じながらラストスパートをかけるように激しく二人を攻め上げる。
絶頂の近い二人がガツガツと突き上げる。
時雨の体力も限界に近い。
呼吸が詰まりそうなほど切迫し、懸命に腰を振る。
絶頂も近く、先走りが止まらない。
「いぐっ…ぁ…いぐっ…いぐぅ…」
「あぁぁっ 時雨っ しぐ…れぇ んぁあっ」
「くっぅ イクぞ…」
二人で交互に前立腺を突き上げながらグッと最奥に突き上げ勢い良く白濁を注ぎ込む。
「んああああっ!でるっ…でるううっ!」
二人分の白濁を注ぎこまれ、腸内が熱く満たされていく。
そして時雨も三回目の絶頂に達して、ぷつりと糸が切れたようにぐったりとマットに倒れる。
「はぁ はぁ はぁ…」
プールの室内に3人の荒い呼吸だけがしばらく響く。
最初に動いたのは柚槻だった。
時雨の中から屹立を抜いてぐったりした時雨と咲也を両腕で担ぐように抱き上げシャワーまで歩いていき二人を洗ってやる。
「う…うぁ……はあっ…ああ…」
気が付けばシャワーで柚槻が後処理をしていた。
虚ろな目で柚槻と咲也を見るも、やはり力が入らない。
「明日…ぜったい筋肉痛…ですよ」
と、か細い声で、しかし人を食ったような口調は変わらない
「ばーか この程度で筋肉痛になるのは 運動不足の手前くらいだよ」
全然余裕だと言わんばかりに微笑みながら『あそこ洗浄ノズル』で時雨の中を洗っていく。
咲也も今はぐったりしているが筋肉痛にはならないなぁ…と、思いながら柚ちゃんに体をあずけて洗われていく。
「く…う…もう運動いいですよね…こんだけ動いたから…」
と、もうコリゴリだと言わんばかりに訴えかける時雨。
このまま毎日運動なんかしていたら、身が持たない。
「何言ってんだ ダイエットは継続が大事なんだぞ?」
プニっとお腹の肉をつまんで。
「とりあえずこれが取れるまで毎朝水泳だな
汗かいても水に流れるし
ジョギングより快適だろ?」
そんなことじゃ立派な大人組になれないぞっと付け加えて。
「やっ…ぱり…ね…」
柚槻の宣告にがっくりとうなだれて、もう、今くらいは現実逃避してもいいだろう。
そのまままた意識を飛ばしてしまう。
ああ、もうどうにでもなってしまえ。
「ん? 寝ちまったのか…」
自分も接客したまま朝になって朝ごはんを食べに行ったので 食後の運動のあとの心地よい疲労感にふぁぁっとあくびをして。
プールは貸し切っているのでビーチチェアに時雨と咲也を寝かせ自分も添い寝する柚槻。
その日を境に、プールからは時雨の悲鳴が聞こえてくるようになったという。
時雨の贅肉がとれるその時までは。
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