第十八話 「時雨の再教育」
第十八話
「時雨の再教育」





咲也と二人『再教育』を受けるとこになり いつもの年少組の建物とは別棟の 大人組の… この『高級遊郭』でも別格の男娼が集う場所に向かう。

『再教育』に不安そうにしている咲也を励まし部屋の前で別れると 自分も『再教育』担当者の柚槻の部屋に向かう。
この遊郭一の妖艶さと美貌で評判の柚槻がまさか自分の『再教育』だとは…
流石の時雨も少々緊張しながら襖の前で深呼吸して。
「失礼します 時雨です」

あの事件からしばらくして、時雨と咲也の謹慎が解かれ帰って来たというのは聞いていたが、まさかあの時雨に『再教育』をしてくれと旦那に頼まれた時は驚いた。
煙管を吹かしながらぼんやりと考えているうちに、襖の向こうから、その相手の声がする。
「おぅ、入れ」
と、軽く部屋の中に呼び入れて。

襖を開けて中に入ると 甘くて苦い煙管の香り。
幼年組では咲也だけが和室をいただいているが それ以上に広く豪華な作りについキョロっと見回してしまう。
部屋の主は座布団に胡座をかいて優雅に着物を着こなし煙管を吹かしている。
銀髪に紫の瞳という人外れした姿はそれだけで浮世絵のような美しさだった。
「『再教育』よろしくお願いしますね 柚槻さん」
にっこりと微笑み傍にちょこんと座る。

あまり来ることのない大人組の、広く豪華にあしらえられた部屋にキョロキョロと地に足が付かないように入りながら時雨が自分の隣にちょこんと座る。
「あん時は、相当酷い目にあったんだってな?」
にこやかに笑う時雨の頭をポンポンと撫でながら
「1ヶ月近くも休んでりゃ、鈍ってるんじゃねぇのか?」
時雨に意地の悪い質問を投げかけてみる。

柚槻に頭を撫でられ子供扱いされるがそのまま受け入れ。
「確かに一ヶ月もお休みをいただきましたが」
一旦言葉を切ってニッっと微笑んで。
「一ヶ月も刺激のない生活をしてきたわけじゃないですよ」

「あぁ、そういや…咲也んとこに世話になったんだってなぁ?」
咲也と時雨が一緒に居たとなれば、鈍る心配もないだろう。
身体のことは万全…
一人で頷いて納得しながら時雨の方に向き直る。
「まぁ手前のことだから、身体のことは心配いらねぇな」
ニヤリと微笑みながら時雨を見て。
「だがなぁ、そういう訳にはいかねぇんだってよ」

『再教育』について何も聞かされていないのでどういった指導を受けるのか内心首を傾げながら。
「身体のことが問題ないなら…『再教育』って何をするんです? よく先輩の子が『再教育』受けてましたが『お説教』だったり『客層を広げるため』だって聞いてますけど」

「慌てんなって、手前に『再教育』をする理由がちゃんとあるからよ」
と、『再教育』の意図が気になっている時雨をなだめて、両手で時雨の頬を掴んでで紫の瞳でじっと時雨を見据える。
「まずその前に聞いておきてぇことがある」
先程までの微笑みとは変わり、真剣な眼差しで
「時雨…手前、気の許せる咲也だから身体を許せたって訳じゃねぇよな?」

「…」
柚槻の言葉に あの事件の直後 看病をしてくれた咲也が『触れられて怖くないか』と訊いてきたことを思い出す。
『対人恐怖症になっていないか』と。
同じことを訊く柚槻に微笑んで見せ。
「大丈夫ですよ。 確かに咲也に触れるのは『特別』ですけど。 僕を誰だと思ってるんです? 『淫乱の時雨』ですよ? こうして柚槻さんや他のお客様に抱かれても全然平気です」

迷いのない答えに、柚槻は頷く。
どうやら精神面も問題はなさそうだ。
「だな、それでこそ男娼ってもんだ。 でもな時雨」
しかしあの事件は時雨のプライドや志向の高さ故に起きてしまった。
「手前はまだ、身の程を知らねぇ。ああいう風に身体を使って、いちいち壊されそうになっても困るんだよ」

「はい…」
柚槻の言葉に反省の色を浮かべる瞳で見つめ。
「僕が弱かったせいで… その前から咲也とちょっといざこざあがあって… 個人的に荒れてたんです。 そんな個人的な事情で…迷惑をかけてしまいました…」

「過ぎちまったことはしかたねぇ、次からちゃんとやりゃいいことだからな… …もっとも、俺があの状況でお前の立場なら…ぶっ飛ばしてるけどな」
時雨の頭を撫でて
「手前は、この先『大人組』の世界でもやっていくことになるんだろうしなぁ」

「柚槻さんに複数相手なんて 旦那様が絶対許しませんよ 僕だったから条件付きでやらせてもらえたんですよ」
柚槻が暴れるところを想像し苦笑いしながら応える。
「『大人組』…ですか。 まぁ確かに僕には『帰る』条件がありませんからね ずっとここが僕の居場所なんでしょうね」

「まぁ、自分を安売りすんなってこった。 この先長くやってくならな」
煙管をぷかっと吹かして、煙草盆に吸い殻をトントンと落とす。
旦那が心配していた精神面についても問題はなさそうだ。
ふうと一息ついて
「今日の『再教育』もよ、手前が『大人組』になるのを見越してのことだってよ」

「咲也にも言われちゃいましたよ 『もっと自分を大事にしてよ』 って 『大人組』… あと4〜5年先の話ですよね 旦那様も気が早いなぁ」
と、また苦笑い。

確かに、気が早いように感じてしまうが『大人組』としての技術は早く覚えておくに越したことはない。
「なら、手始めに復習といこうか? まず俺を誘惑してその気にさせてみろよ」

「復習… 別に今現在も使ってますけどね… …ん」
夏物の薄い生地のシャツの上から胸の突起を弄り 碧眼でじっと柚槻を見つめたまま 自慰のように身体を触っていき シャツを腰から巻くり上げ口で噛んで両胸を晒し 片手で突起を直に弄り。
「ん…んん…」
と、シャツを噛んだまま甘い声をこぼし 反対の手でジーンズの上から屹立の形を教えるようになぞっていく。

時雨の眼が、熱を帯びた淫らなそれに変わっていく。
体をくねらせて誘惑する姿は、流石は年少組の売れっ子であると実感させる。
客が客なら直ぐにでも飛びつきたくなるほどであるが、時雨の誘惑をじっと鑑賞する柚槻。

シャツを噛み視線を外さないまま ベルトに手をかけジーンズの前を開く。
まだ下着からは出さず屹立を撫であげて下着にジワっとシミを広げていく。
「ふ…ぅあ…んん…っ」
どうすれば自分が魅力的に見えるか…
それは一条様から言われた『初めての命令』として時雨はいつも初心貫徹というか日々心得るようにしてきた。
艶かしく柚槻を誘っていく。

売れっ子といえどもまだ子供、しかし、この淫ら雰囲気はどこからくるのだろう、一つ一つの動きが美しく映えて。
「よし…まあ合格だな、次は俺にもっとヨガってこい。 俺をその気にさせてみやがれ」

「はい 柚槻さん… はぁ…」
柚槻の身体にしなだれかかり 首筋に顔をうずめ 大人の広い胸に甘えるように擦り寄り。
「はぁ…は…」
甘い吐息を耳に吹きかけながら 片手で自分の身体を弄りながら 片手を柚槻の着物の上を滑らせる。

近くで見ると、また咲也の青色瞳がよく映えて一層時雨のかわいらしさと淫らさを引き立てている。
ぞくぞくと吐息のここちよさを感じる。
指の一本一本の動きが敏感に刺激してくる。
「あぁ…いーぃ感じだなぁ?」

「はぁ…柚槻さん…」
熱を帯びた瞳で見つめながら柚槻の身体を着物の上からゆっくりと撫で回し 下肢へと這わせていく。
「すご… 大きい… こんなになるまで僕のこと感じてくれて嬉しです」
少し強めに擦り上げる。

「……っく、手前みたいな奴にあんな風にされてみろ、よっぽど正常だろうが」
なめらかな指遣いは、柚槻といえども興奮を隠しきれずに屹立を主張させてしまう。
時雨の言葉にハッと軽く笑い顔を背けつつも、今は時雨のやりたいようにさせてみる。

いつも咲也にしているように着物の襟合わせに手を滑り込ませ肩まで肌蹴させて 男らしい広い肩幅と浮きでた鎖骨に吸いつく。
「ちゅ…あむ…」
その間も片手は屹立を撫で続けて。

指遣いが上手ければ、舌遣いも上手い。
この歳でなかなかの技を身につけている。
なるほど、確かに旦那が目を付けるのもわかる。
「…っ…なかなか、できんじゃねーかよ…えぇ?」
鎖骨を舐める時雨の頭を撫でて、顎をつかんでこちらを向かせる。
「前戯は、まあいいんじゃねぇの」

「気に入っていただけましたか?」
くすりと余裕そうに微笑んで顎を捕まれて 真っ直ぐに蒼い瞳で見つめ返す。

「 あぁ、俺もそろそろ我慢できねぇ」
と、噛みつくように時雨の唇を奪えば、歯と歯がカチカチと当たるほどに深く濃密に舌を絡ませる。
相手の呼吸など知ったことではない、自分のペースに引きずりこみ、まさに貪るように口内を蹂躙する。

「んッ ふ…ぁっ…んん はぁっ」
こんな乱暴というか強引なキスは久しぶりで 時雨も遠慮なしに舌に噛み付き強く吸い 甘い吐息とともに溢れた唾液が顎へ伝っていくのも構わずにキスを続け。

時雨は強引なキスにも臆することなく立ち向かってくる。
そう来なくてはと、時雨の歯列を奥歯からゆっくり舌を這わせて、味わっていく。顎から首筋に伝わっていく唾液をやはり噛みつくように舐め上げる。
「激しいのは、嫌いじゃねぇだろ? ぢゅばっ」

「はぁ… ぁあっ」
首筋を舐めあげられれば甘い声を上げ
「気持ちいいことなら大歓迎… ちゅ」
首筋に噛み付く『獣』の銀髪にキスを落としぎゅっと抱きしめる 。

「はっ…上等、手前も遠慮せずにやれ、じゃねぇと俺もつまんねーからよ」
抱きしめてくる時雨に答えるように、時雨のシャツを破り捨てて突起をこねくり回す。
時にはきつく、時には指の腹でくすぐり、緩急をつけながら愛撫する。
その間にも薄い胸板や脇腹をねっとりと舐める。

「ふぁ…ッ 柚槻さ…んんっ ちゅく じゅる」
胸を舐める柚槻の頭を抱きしめ耳を舐める。
滴る唾液が耳穴に入らないように吸い上げながら舌を差し込む。

耳から直接頭に響くような水音に背筋にぞくりとざわめく。
『再教育』といえども気を抜けば喰われてしまうような領域。
自ら頭を伏して時雨の屹立を愛撫する気は毛頭ない。
「おい、時雨…『舐めろよ』」
と、短く吐き捨てて

「ん… はぁ …はい」
愛撫だけで乱れる呼吸を整えてから柚槻の足元に膝ま付き シュスっと衣擦れの音を立てて帯解き着物の前を肌蹴させ。
ずっと主張していた大きな屹立を取り出し先端に口付け奥まで咥え込んでいく。
「ちゅく…じゅる…ちゅぅちゅぅ…」

「はっ…さすがっ…なかなか体感できねぇぜこれは」
まだ小さな口で、凶器のような屹立を何の躊躇もなくくわえ込んでいく姿にニヤリと笑いながら頭を撫でてやる。
まだ収まりきらない屹立をぐいぐいと突き立てていく。
「んっ んぐ…くちゅ… はぁッ じゅく…ちゅ」
大きな屹立を喉まで押し込まれて少し苦しそうに眉根を寄せるが、その表情すら劣情を誘うようで。
髪を撫でられ上目遣いに柚槻を見上げながら続ける 。

「まだ足りねぇってか? ならくれてやんよ」
頭を押し付けるだけでなく、腰もふって口を性器のごとく犯す柚槻。
口の端から唾液や先走りが溢れて、時雨の苦しそうな表情にも興奮を煽られる。

「んぐっふぅぅッ んはぁ くちゃ…じゅぽ…」
柚槻のお尻に腕を回し抱きつき全てを受け入れるように振られる腰に合わせて吸い付いたり舌を絡めたりを繰り返す。

「っつ…う…やべ…時雨っ」
吸い付いたと思えば、舌でチロチロと愛撫され、舌が屹立に絡まる感覚に、愛撫に慣れているはずの柚槻でさえ、早々に絶頂に登り詰めてしまう。
「ち、しっかり受け取れ…つあっ」
ぐんと頭を抑えつけて濃厚な白濁をビクビクと屹立の痙攣と共に吐き出す 。

「んんぅッ んぐ… ごく…ごくり」
たっぷりと注がれた白濁を全部飲みきって ペロペロと屹立を舐めて綺麗にしてから口を離す。
「はぁ…はぁ…」
ペロリと赤い舌で唇についた白濁を舐めとる。

「はっ…さすが、『淫乱』」
本来侮蔑の言葉であるが、時雨の前では『誉め言葉』
前戯の段階も合格であると暗に示した。
「俺も魅せてやんねぇとな」
と、時雨を押し倒し細長い指で孔をなぞる 。

「ん…あッ」
柚槻を愛撫していただけで興奮している身体にいきなり孔をなぞられればビクンと身体が跳ねぎゅっと柚槻を抱きしめて迎え入れる。

緩く柔い時雨の孔を、ゆっくりとなぞり収縮する感触を楽しみながら、ゆっくり、自分でももどかしいと思えるほどじらしながら入れていく。
「おい、抱きしめられたら手前の顔が見れねぇじゃねぇか」
と、顎をつかんで獣のような紫眼で見据える。
「手前のふやけていく様が見てぇんだよ」

「あ… 柚槻さん…」
入るか入らないかの位置をじわじわと弄られ身体をくねらせて『欲しい』と訴えて。
紫眼で見つめられれば既に快感にトロけた蒼瞳で見つめ返す。

「欲しいなら鳴けよ、まだやんねぇけどな」
腸壁をゆっくりと円を描くようになぞり、指の数を増やしていく。
すでに多くの屹立を受け入れている時雨の孔はなんなく指を埋め込んで、快楽を得ようとする。
「ほら、鳴けよ、可愛い舌でよ」
精液で濡れた舌を指で掴んで 。

「ふ…ぅうッ あんっ はぁ…ん ぁあっ」
体内を蠢く指使いは流石遊郭一と言われるだけある。
前立腺などを直接触ってくれるのは時折で あとは焦らすように優しく責め立ててくる。
鳴けと言われなくても嬌声を上げてしまう。

「いいねぇ、スグにでもヤっちまいたくなる」
焦らすように動かしていた指を、徐々に激しく動かし始めて。
前立腺もカリカリと引っ掻いていく。
潤む時雨の瞳を見ると、欲情にかられていく自分がわかる。

「あああっ そこぉ…気持ちい… あはぁぁぁッ」
柚槻の指使いにビクビクと身体を震わせながら 屹立が熱く勃ちあがり 切なそうな声でおねだりする。
「柚槻さ… 前も… 触ってぇ あああん」

時雨の嬌声が、さらに快楽をねだる声が響き渡る。
「あ? ここ触ってほしいのか」
と鈴口だけを撫でるように触るだけで、孔だけの愛撫を激しく動かしていく。
「手前でいやらしくやってみせろよ、快楽を貪れよ」
「ンァァッ はあ はぁっ」
先端だけをいじられ もう我慢できないと、いうように自分で激しく扱き始める。
この一ヶ月の間 毎晩のように咲也と身体を重ねていたため 自慰をするのが久しぶりで、すぐに快感を上り詰めてしまう。
「ひぁぁッ もう…だめぇ 柚槻さ… ぁああぁぁん」
柚槻のテクニックと自分での快感を心得た自慰でもう絶頂はすぐそこだが 『イっていい』と言われるまで悶え我慢する時雨。
快感に全身を震わせながら柚槻の命令を待つ。

「あぁ、良い子だ。イくのはいつでも『お客様』の許可がいるもんな?」
必死に耐える時雨を眺めながら、指を広げて赤い肉襞を露わにさせる。
柚槻とて、これほどまでにヨガる『獲物』を見ると、歯止めが効かなくなってくる。

「ひぅんっ あぁ…んッ 柚槻さんのぉ 入れ…てぇ ふぁあッ はぁ」
拡げられた孔をヒクつかせながらおねだりする。

「入れてください、だろ。イケねぇ口だな」
と、時雨の唇を指でつまんで引っ張る。
指を引き抜いて、腸液で濡れた指を時雨の口で処理させながら問いただす。

「んぁ… くちゅ い…入れてください 柚槻さん ちゅぅ」
自分の腸液を舐め取りながら息も絶え絶えに言われたようにお願いする 。

「こちとら、もう我慢できねぇ…遠慮なくいかせてもらうぜ
」時雨の口内を指でいじくりながら屹立を、解し孔に突き立てる。
ジュボボと凄まじい音をたてて屹立が埋まっていく。

「ひぁあああッ うぁああッ んんんッ」
今まで何十人という屹立を咥えてきたが こんなに太さと長さを兼ね備えた屹立は珍しく 入れられただけで 自慰をしていた自分の屹立からトロトロと先走りが溢れ 今にもイきそうになってしまう。

奥深くに突き立てた屹立を間髪いれず激しくピストンし、腸壁をこすりあげていく。
肩をつかみ、時雨を押さえつけ、口角を釣り上げ犬歯を覗かせる姿は、まさに獣そのもの。
時雨の骨盤に響くほど腰を打ちつけて 。

「あっぁっあっ…あッ」
腰を打ち付けられ中をえぐられるたびにリズミカルな動きに合わせて嬌声が高まっていく。
イきそうで苦しくて…それでも快感の方が強く自分も腰を振って柚槻を味わっていく・

「おらぁっ、喘いでるだけじゃつまんねーつってんだろ。」
もっとねだってみせろと、乳首をつねり、首筋に強く吸い付き、耳たぶを噛む。

「ふぁ… 柚槻さ…っ ああん もっとぉ… んぁ そんな奥…初めてぇ… 気持ちい…ッ もっとぉ…っ」
自分の最奥がこんなに深いとはと思いながらお尻を擦り付けるように動かし奥をかき回すように 。

「くっあっ…さすが…いいぜ、時雨ぇ」
パンパンとけたたましく鳴り響く様が、行為の激しさを物語る。
ゴリゴリと前立腺を殴るように突き上げていく。
柚槻の肌にもうっすらと汗が浮き出てくる。

「んあああっ あんっ あんっ すご…いっ いいっ 気持ちい…っ 柚槻さん くぁあああ ふあ もうダメぇ イっちゃううう…っ やぁぁぁッ」
激し行為にあっという間に限界が来て 自慰をしていた手を止めて イカないように根元をグッと掴んで我慢する。

時雨の肉襞は柚槻の屹立を締め付けて離さない。
動かすたびに肉襞が捲れあがり、淫らな姿をさらけ出す。
「く…時雨、ソロソロ出すぞ…」
孔から腸液の泡がでるほど屹立を打ちつけて

「柚槻さ…っ ひぁぁん イイ イっちゃうぅぅ 来てぇ いっぱい下さいッ んぁぁあッ」
自分の屹立を抑えながら孔はきゅうきゅうと柚槻を締め上げる 。

「くあっ…いくぞ 時雨っ…くうっ…ああっ」
時雨の中を突き破りそうなほど密着し、白濁を長く長く注ぎ込んでいく。
時雨の体内が白濁で満たされていくのがわかる。

「んぁぁ… はぅぅ…んんッ」
柚槻の精を受け入れながら自分の屹立も開放し一緒に果てる時雨。
びくんびくんと震えながらも体力を使い果たしたようにクタっと布団に身を投げだし荒い呼吸を整える。

「ふぅ、まあ体力もギリ合格ってとこだな」
くたりと倒れた時雨から屹立を抜き取り一息ついて、机の上に置いてあった扇子でパタパタと仰ぐ

「はぁ はぁ… 良かった これ以上はちょっと…」
言いながら壁にかかった時計を見る。
1人のお客相手の倍は時間が経っていた。

「あ? 俺はあと五回ぐれぇはイケるぜ」
と、ニヤリと笑いながら時雨に問いかけ。
「なんなら朝まで付き合ってやろうか?」

「…柚槻さんって絶倫だったんですね…」
さすが『怪物』の異名を持つだけある。
この容姿、テクニック、体力と屹立の大きさ…
どれをとっても 遊郭に居るために生まれたかのような柚槻を尊敬と少々の呆れを蒼瞳に浮かべて見つめる。

「手前が体力無さ過ぎなんじゃねぇのか」
パタパタと扇子で仰ぎながら、片手で時雨を抱き起こして肩を叩く。
「とりあえず合格にしておくが…淫乱のくせにまだまだ貧弱。もっと体力つけな」
と、煙管を咥えながらニヤリと笑い。

「柚槻さんと比べたら みんな貧弱だと思いますよ」
ふぅっと苦笑いを浮かべ 。

「はっ、違いねぇ」
と、刻み煙草に火をつけてプカプカと煙を浮かべる。
「一服したら、風呂行くぞ。久々に汗かいた、気持ちわりぃ…」

いつもは汗もかかないのかなぁっと思いながら
「はい」
と、返事をして煙管を吹かす柚槻の横で『横になりたい』と思うほど疲れているのを感じる。

ふぅ、と煙管を吹かし、自分にもこういうガキの頃があったなあと考えつつ、煙草盆に吸い殻を落とす。
「歩くのだりぃならおぶってやろうか?」
と、ぐったりと横たわる時雨を覗き、問いかけてみる 。

「…っ 嫌ですよ 廊下で誰かにあったらどうするんですか 恥ずかしい…」
子供扱いされるのに慣れていない時雨はぷいっと顔を背けなんでもないというようにスクっと立ち上がる 。

「そのプライド、悪かねぇよ。 さ、行くぜ」
柚槻も時雨の表情にニヤニヤと見ながら、ゆったりと立ち上がり歩みはじめる。




第十七話を読む

第十九話を読む

目次に戻る

TOPに戻る

感想BBS
 

web拍手 by FC2