第十五話 「夢を雪ぐ涙」
第十五話
「夢を雪ぐ涙」





5月も終わりに近づき。
『病欠中』の時雨の怪我は痕も残さずすっかり綺麗に治り、『謹慎中』で時雨を預かっていた咲也の任務も終わろうとしていた。
遊郭には定期的に連絡を入れ、時雨の様子などを報告していた咲也に
旦那から6月1日には帰ってくるようにと言われ二人の『休暇』の終わりが決まる。

この一ヶ月を振り返るように残りの時間を大切に過ごしたいねと時雨と話し合い、長かったようで短かったこの『休暇』の間にあった楽しかったことや、まだまだ遊びたかった海には『夏休みがもらえたら今度は海に入れる季節に来よう』と約束を交わす。

夕飯と風呂を済ませ早々にベッドに潜り込み時雨との会話を楽しむ。
「…明日は…もう…帰らなきゃいけない…から… 今晩が…最後の夜…だから 今日は…『時雨自身のこと』…聞かせて?」
時雨がこんな怪我を負うことになった事件の本来の原因…。
時雨の『悪夢』の話を最後まで受け止められなかったことを未だに後悔している咲也が続きを聞かせて欲しい…と、今度こそ時雨の『全て』を受け止めるから…と、時雨を見つめる。

「もうそんなに経っちゃったんだね……」
ふう…と、小さくため息をついて…
「ん……どこまで話したかな…母さんが出て行ったあたりかな…」
少し声のトーンが落ちて。

「ん…」
少し淋しそうに微笑んで 時雨が話しやすいように手を握り寄り添うようにベッドに横になり
顔は合わせないように時雨の肩におでこを当てて話を聞いていく。
「うん… それで… お義父さんが…お母さんの代わりに…時雨に無理やり…ってとこまで…」

「この前言った通りだよ…服を破られて、手足を縛られて、喚かないように口を封じられた……」
カタカタと震える体をなんとか抑えながら…
「まだ慣れてるはずもない体を…弄ばれたんだ…『痛い…痛い』って言ってもうめき声にしかならない…身をよじらしても大人の力には敵わない…」

「うん…」
この間の事件の時の時雨を思い出す…
大人5人に縛られてはいないものの身動きは取れず 服を破かれ 屹立で口を塞がれて… 最後には殴られて…
時雨がフラッシュバックを起こしてしまったのも無理はない
自分の部屋で意識を取り戻してくれるまで生きた心地がしなかった自分…
その数倍も時雨は傷付いているのだろう こうして話を聞いて『全部を受け入れる』… それで少しでも時雨が救われるなら…と、ぎゅっと手を握る。

また叫びそうになる、その身体を必死に抑えながら記憶を辿る……
「必要最低限の食事しか与えられなくて…頭はボォーっとするし、犯されてる時だけは、痛みで無駄に冴えてる状態だった。…ただある日…ある時から……僕の身体がおかしくなった。あれだけ嫌だった行為が…『悦く』感じるようになってしまった。もう、普通じゃいられないんだって思った瞬間には、泣きながらよがってた、よがりながら泣いてた…そんな毎日…」

「…うん」
いつも自分を『淫乱』で『穢れてる』と自らを嘲笑うかのように…時には得意気にすら笑っていた時雨…
それでもやはりそれは時雨本人が望んだことではなく…
身体が『大人』になってしまった…
成長期の少年として当たり前のことが…
時雨が自分を嫌う一因になってしまったことが理解できた。

「もう涙も涸れて『もういいや、このまま気持ちがいいなら…このままでも』って思い始めたんだ。あいつでもいい…誰かに望まれて抱かれて犯されるなら…母さんの埋め合わせで求めるなら…それでもいいかなって…そう諦めにも似た感情が生まれかけてた矢先のこと……だった…う……うぅ……今度は…」
顔を真っ青にして咲也にしがみつくようにして…震える。

「…時雨… ゆっくりで…いいから…ね?」
震える時雨を抱きしめる。
今出来ることは何でもしてあげたい。
落ち着かせるように背中をさすりながら以前『時雨を好き』なのは僕が母さまの『一番』じゃなかったから代わりに時雨を一番に愛するのかとイラつかせてしまったことがあったのを思い出す。
誰でもいいくらい『孤独』を抱えていた時雨だからこそ嫌悪を感じさせてしまったのだと。
…誰でも良かったなんてことはなくて…時雨だから…『好き』になったんだと… 今の状況で言う言葉ではないので飲み込むが いつか…伝えられたらと背中をさする腕に力を込めて少し強く抱きしめなおす。

「あいつは…知らない大人を連れてやってくるようになった。……犯される僕を見せ物にしてっ…そして…『マワされた』…薄汚い連中がはした金で、僕を代わる代わる犯してっ…身体中のすべてを穢してっ…うぅ……もうやだよ…どこまでも夢は付きまとってくるっ…このまま慰みものになって『殺される』って感じた時…本気で逃げ出した。今までも…逃げようとして失敗したけど…布を食いちぎって、財布を盗んで…寒空の下、着の身着のままで…」

「…ッ」
ひどい目に遭ったのは時雨なのに…
ここでまた僕が泣いたら…時雨が泣けなくなっちゃう と必死に涙を堪える。
そんな過去を持ちながら…なんで時雨はこんなに『強い』んだろう…
明らかにあの事件と重なるのに…あの時…時雨は自分から『全員を相手にする』と旦那に宣言していた…
こうなることが予想できないわけがないのに… なんで……
『ここが自分の家だ』と…言っていた… 帰るところがないと…
『他の子が輪される』のを拒否していた… 男娼仲間を…やっと見つけた『自分の居場所』を守るため…
そんな時雨の凛々しい気持ちの上に成り立っていた『強さ』のなんと危うく脆いことか…
そんな時雨を今はただぎゅっと抱きしめてあげるしか支える方法が見つからない。

「あとは、何日経ったか分からない…とにかく宛てもなく彷徨った…地下鉄のホーム、高架下…ホームレスのように寝て起きて…」
もはや声は震えて、涙が零れそうになる、それでも気丈に語る時雨。
「お金も尽きて…途方にくれていた時に…一条様に出会った」

「…そっか… だから一条様が『特別な人』…なんだね…」
初めて聞いた時は時雨が一条様に特別な感情を抱いているのかと勘違いして拗そうになったが 最近では自分にも親切な一条様に咲也も懐いていて そんな状態だった時雨を助けてくれた人だったのかと納得する。

「これが…今から2、3年前の話…遊廓に入るまでの経緯……僕は、この世から存在しない人間になって…名前を捨てた。そこで、一条様に『時雨』っていう名前をつけて…もらったんだ…」
ぎゅっと…咲也を抱き寄せて…
「うぅ……さく……や……」

「うん… 全部話してくれて…ありがと… ごめんね…夢で見てあんなに怖がっちゃうくらい… 2,3年も経ってるのに…まだ癒えてない時雨の心の傷を抉っておいて…『全て』を受け止められず…傷付けて…」
時雨をぎゅっと抱き返し後頭部の髪を優しく撫でて。
「…今は思いっきり泣いて…? また夢で見たり…思い出しそうになったら… これからは僕が助けてあげるから… もう大丈夫だから… 誰にも時雨を傷付けさせないから…」
出来るだけ優しい声で時雨を安心させるように語りかける。

「咲也……うぅ……さく……や……ぁ……ふぅ……う…うぅ…うわああああああん!」
涙を堪え…必死に耐えてきたが、咲也の優しい言葉に、一気に流れ出して…今までの時雨からは考えられないような…声をわんわんあげて、泣き出す。
咲也の衣服を濡らし…すがりつくように。

「ん… ここには今 僕と時雨だけ… 二人っきりなんだから… 帰ったら皆の居るところじゃ泣けないでしょ? だから…気が済むまで…ちゃんと泣いて… 泣き止んだら…いつもの時雨に…戻って…ね ぐす…」
胸に時雨を抱きしめ優しく黒髪にキスを落としながら 何時間でも時雨が泣き止むまでこうしていよう…と一緒に涙を零す。

「さく……やぁ……ああああああああああっ! うわあああああんっ!」
十数分間は…時雨は泣きっぱなしだった…今まで溜めに溜めてきた悲しみを流すように…初めて自分の不幸を悲しいと感じて、それを共有してくれる人が居ることに…

「うん… 大丈夫だよ 時雨… 僕はずっとここに…時雨の腕の中に居るよ… 時雨…」
明日帰った時に 目が腫れていたら皆に心配されちゃうなっと 時雨が目を手で擦らないように 際限なく溢れる涙を何度も何度も優しく舌で舐めとってあげながら。

「ううう……ふうぅ……咲也……ありがとう…ぐずっ…ありがとう…」
少し腫れぼったい目で咲也を見つめて…
「こんな話聞いていて…一番辛いのは咲也なのに…ぐすっ…咲也も…辛いなら…泣いてもいいと思う…よ…」
ようやく落ち着いて…咲也の頬を撫でて。

「ううん… 僕は平気… いつも僕が先に泣いちゃって…時雨が泣けなくさせちゃってたし…」
頬を撫でてくれる時雨に微笑みかけ。
「落ち着いた…? 大きな声で泣いたから…喉渇いたよね…? はい…あーん」
しっかりと泣いたご褒美という感じに時雨の好きな飴玉を時雨の唇に向ける。

「ひっく……そう…わかった…咲也も強くなったね…」
咲也の頭を撫でて。
「うん…いっぱい泣いたから、すっきりしたよ…ん、あーむ…」
大粒の飴を口に含めば…飴が溶けて甘味が口の中を潤して…
「ん……んまい…」
その姿は時雨がまるで幼い子供のようで。

「…強くないってば… 他のことは全部時雨に甘えてる… でもこの話だけは…『全部』僕が…胸にしまっておくから… 時雨の夢に…もう出てこないように…僕が…預かっておくね」
いつものように美味しそうに飴を舐める時雨にまた微笑み抱きしめる。

「お願い…ね? もう出てこないように…咲也に預けとく… 僕がそれを乗り越えられるようになるまで…」
ぎゅうと抱きしめて…飴を含んだまま…咲也にキスを施す…
「ん……ちゅ…」

「うん… この『過去』と『夢』は時雨の中から 今の涙で流れちゃったでしょ…? あとはもう時雨に戻らないように… ずっと僕がしまっておくね…」
自分の胸に手を当てて目を閉じると唇に時雨の感触。
「ふ… しぐ…れ ちゅぅ」

「ふう……ちゅっ……ちゅる…」
咲也の柔らかい唇…何度も味わっているのに…今日のは飴のせいか甘くて…甘美で…
「咲也ぁ……」

「ん…ッ はぁ… しぐ…れ ちゅく…」
キスだけで…なんて甘い声を出すのだろう と、時雨の声にドキドキしながら。

「嫌な話……だったから…ちゅぱ…今日はとことん咲也に甘えたいんだ……」
唇をついばんで…ねだるようにキスして…
「ちゅ……ちゅ…ねぇ…咲也のちょーだい?」

「時雨… ん… ちゅ…ちゅぅ…ちゅく」
横になって抱きしめていた時雨を下敷きにするようにキスをしたまま身体を起こし 時雨のシャツのボタンを外していく。
「ちゅ…時雨… くちゅ… は…ぁ」
重力に従って自分の唾液が時雨の舌に垂れていく。

「はあ……ちゅ…れろ……咲也の唾液……甘いよぉ…」
自分から衣服を肌蹴て…見るからにいやらしい格好になって…自分の指に唾液を絡めて乳首をヌルヌルと弄りだす。
「ふあ……ああっ」

「時雨… 久しぶりで…我慢できないのかもしれないけど… 僕が欲しいんでしょ? 自分でシちゃ…ダメ…」
首筋から耳へと舌を這わせ耳元で囁き 突起を弄る時雨の手を持ち上げ自分の首に回させる。
「僕がシてあげるから… どこが欲しいか…ちゃんと言って…? ちゅく」
甘い唾液で濡れた突起に舌を絡める。
「ちゅく…ちゅ…ちゅぅ」

「はあっあ……ごめっ……」
今日は咲也に完全に主導権を握られて…それもいいと素直に甘えてみせる。
「咲也あ……乳首……弄って…コリコリって」
熱い吐息とともにおねだりしてみせる。

「ん… ちゅぷ…ちゅぅ…ちゅ…っ」
片方の乳首を吸い上げ舌で転がしながら 反対の乳首を指でつまみクリクリとひねりながら軽く引っ張ったり胸に押し込んだりして硬さを増していくのを指先に感じ。

「んやあっ…やああっ…きもち…いい…んにゃあ…もっと…ちょーらい」
悩ましげに身を捩らせながら、咲也の愛撫を受け止めて…快感を感じていれば、自らの屹立も固さを増して主張する。

「くちゅ…ちゅぅぅ… ちゅぱっ」
きつく吸い上げたまま薄い胸板から顔を上げると限界まで伸びた乳首がちゅるんと唇から飛び出す。
唾液で濡れた乳首を指でつまみ 左右バラバラに強弱をつけてコリコリと弄りながら 白い肌にキスをしていく。
「ちゅ…ちゅぅっ」

「はうううっ……咲也っ……きもちいいよぉ…」
咲也の愛撫は時雨のイイトコロへ的確に刺激を与える。
淫乱な時雨にとって耐え難い程の快楽の波が徐々に襲ってくる。
「咲也ぁ……こっちもぉ…」
細い腰をひくつかせて…自分では弄れないもどかしさを何とかして静めてもらおうと。

「ん… ちゅく…ちゅる…ん…ッ…ぴちゃ…」
両手で乳首をいじったまま 時雨のウェストまで焦らすように舌を這わせていき。
「ちゅ… 時雨… 僕の両手 今…離せないから 自分でズボン…脱いで…? ちゅ」

「ふああっ……わかっ……た…んああっ……」
快感で震える手でスルスルとズボンを脱げばトロトロと先走りに濡れた屹立を露わにする…
「お願い…咲也…」

「…ん」
ウェストから足の付け根…屹立の根元へとゆっくりと舐めていき 先端には触れずツーっと舌で先走りを舐め取っていく。

「はっ…あああ…せつないよぉ…あそこが…もっと咲也を感じてたいんだよぉ…」
赤い舌をチロチロさせて、体をさらにくねらせて…首に回した手を引き寄せる。

「くす… 今日の時雨は甘えん坊だね… かわい… ちゅッ…んぁ…くちゅ…ちゅっ」
屹立を舐めながら時雨を見上げ 先端にキスするように唇に当て ゆっくりと飲み込み咥えると 乳首とリズムを合わせるように上下にしゃぶっていく。
「じゅる…ちゅッ…くちゃ…は…ぁッ」

「うあっ…あああっ! はげしっ…んやああっ…」
屹立を咥え込まれればびくんと身体が跳ねる。
快感の渦に飲まれる。
チカチカと目が眩むような…
そんな感覚…久しくなくて。
「ひぃ……もっと…もっとお…」

「ふ…っあ ちゅくッ…ちゅぅ…じゅぷ…くちゅっ」
いつもなら腰を抱いて時雨の動きを抑えているフェラを 今日は時雨の好きなように腰を跳ねさせ身体をよがらせながら 咥えた屹立とつまんだ乳首を離さず愛撫を続ける。

「あっ…あっ…あっ…きもち…いいよ…ふあっ」
腰を振って、咲也の口を性器のように出し入れする…
咲也の口のぬめりや温かさが、言いようもなく心地よくて…絶頂も近づく。
「んあっ…いくっ…いくうっ…」
びゅるるるっと白濁を咲也の口や顔に吐き出して。

「んッぁ… んんんっ …ごくん… はぁ はぁ…」
時雨の白濁を飲み込み口を離すと 時雨の乳首からも手を離し時雨の腰を掴み 身体を転がし うつ伏せにさせる。
…クチ…ヌチュ…ッくぷ… 顔についた白濁を中指ですくい時雨の孔へと塗ってほぐしていく。

「はあっ……さく…や…うわっ…と」
射精の余韻に浸る間もなく、お尻を突き出す形にされて孔をほぐしていく。
「んん…分かってるね…咲也ぁ……いいよ…もっとドロドロにして…」

「うん… 久しぶりだし… この間まで…痛みもあっただろうから… 今日は…快感だけ…感じてほしいから…」
人差し指を増やし 中指で奥を突きながら 人差し指の指先を軽く曲げて前立腺をカリカリと引っ掻くように刺激していく。

「いっぱい…してね…んやあっ…そこ……らめ…気持ちよ過ぎっ…」
屹立をひくひく動かしながら、奥に感じる指を締め付けて…
「咲也のはやく…はやくぅ…」

「もう…いいの…? 痛くない?」
そっと指を引き抜き 自分の屹立を取り出し時雨にあてがい。
「…いくよ? 時雨…」
両腕で腰を抱いてググ…ッと時雨の中に埋めていく。

「大丈夫…ぼくの孔もこんなに欲しがってるよ…?」
くぱくぱと物欲しそうな孔もいやらしく蠢いて。
「い…ひゃあああああああっ…熱い……咲也ぁ…」

「ふぁ…っ 時雨 時雨… んっ…ぁんっ…ん…ぁっ はぁっ」
奥まで突き立てるとゆっくり抜いてはグッと勢い良く再び奥を突く その速さをだんだんと早めていく。

「咲也…咲也…ふああ…あったかいよ…いっぱい咲也のが伝わってくるよおっ…」
咲也を抱きしめて…後は好きにさせよう…今は咲也とシてるだけで満足なのだから。

「時雨… く…ぅ… はぁ 僕も…気持ちいい… 時雨の中で…溶けちゃいそう… はぁッ しぐれぇ…」
肌を打ち付ける乾いた音と 繋がった部分から咲也の先走りと時雨の腸液の混ざったものがいやらしい水音を立てて 目で時雨の妖艶な姿を 耳で卑猥な音と…
「時雨… 時雨… はぁ…ッ」
上半身を倒して抱きしめて動けば 首筋に唇を寄せ 時雨の髪の香りを嗅ぎ 全身で時雨を感じる。

「あんっ…あんん…咲也…気持ちいい? いっぱい僕のこと貪って…溶かしてよ…あん…混ざって一緒になるくらいに…」
咲也の鎖骨に甘噛みして色濃く口痕を付けて咲也の体を目一杯味わっていく。

「ん…ッあ… 時雨…っ はぁッん しぐ…れ… んぁぁ 時雨…」
時雨の屹立と片方の乳首をつまみ 腰の動きはそのままに時雨の全身を同時に攻め立てる。
「んぁぁ… 時雨 はぁ 時雨ぇ」

「あああああああっ…変になる…おかしくなっちゃうっ…またイってとんじゃうよおお…」
全身の愛撫に、目を見開いて咲也にすがるしか他ない時雨…
「イっちゃう…また…びゅくびゅくイっちゃう…咲也もきて…熱いのいっぱい注ぎこんでぇっ」

「うん 時雨… 一緒に…溶けて…っ んっんっあっぁぁぁ…っ イ…ちゃぅ…ッ ぁああっ」
時雨の性感帯の同時攻めのままビクンと身体を震わせすがりつく時雨に身体を擦り寄らせて。
「んぁ… ぁぁッあーー…ッ」
時雨の中で白濁を吐き出すと本当に先端から時雨の中に自分が溶け出すような錯覚に多幸感に満たされる。

「ふあっ…ふにゃあああっ…咲也ぁっ……」
咲也にぎゅっとしがみついて、時雨も二回目の絶頂に身体を痙攣させる。
腸内で白濁がはじけて、隙間からドロドロと漏れ出してくる…くたっと力がぬけていく。

「はぁ… は… しぐ…れ… はぁ」
乱れた呼吸のまま まだ時雨を欲しがるように唇を重ねる。
「ん…ちゅ…ちゅく…んッ 時雨… ちゅ…ぅ」

「…あは…まだ飴玉残ってた…ちっちゃくなったけど…」
咲也と一緒に味わうようにキスを重ねて…
「咲也…すごく攻めてたから…疲れちゃったよ…」

「ん… ちゅ…ペロ…」
時雨のくれる甘い唾液を絡めるように舌を吸い。
「うん…でも… このくらいしないと…僕がどれくらい時雨が欲しいか…身体で伝えたかった…から…」
くたっと時雨の横に寝転がり大きく息を吸って呼吸を整える。

「ありがとう咲也…いっぱいの愛が伝わったよ…」
ぎゅうと抱きしめて…横に寝転がる…

「ん… 時雨…あのね…」
少し恥ずかしそうに声を小さくして…

「ん…なあに…咲也」

「明日…帰るって…言ったけど 夜中に…タクシー使うから… …あ…明日は…僕のこと…抱いて…」
かぁぁっと赤くなって俯き。

「わかったよ…いっぱい味わわせてあげる…ね…咲也…」
微笑み咲也を抱きしめて。

「ん…」
ぎゅっと時雨を抱き返す。

「明日も激しいから…今日はおやすみ…?」
抱きしめた咲也の髪を優しく撫でて。

「ん…」
時雨の腕の中でこくんと頷いて。

「うん…僕も…咲也のこといっぱいもらったから…ふわふわしてクタクタ…」
気持ちのいい疲労感に目を閉じて。

「うん… 寝てる間もこうやって…ずっと時雨を感じてる…ね…」
時雨に擦り寄って体温を感じながら咲也も目を閉じる。

「ん…僕も…感じてるから…おやすみ…咲也…」

「ん… おやすみなさい 時雨」

二人とも穏やかな微笑みを浮かべるような寝顔で お互いを感じながら静かな寝息を立てる。





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