第十四話 「ベッドで甘く」
第十四話
「ベッドで甘く」





外観では屋根に出窓が付いているように見えたのは、咲也の部屋の吹抜の天井の天窓で、心地の良い朝日が射し込んでくる。
時雨を抱きしめたまま眠っていた咲也が目を覚ますと、時雨が先に起きて髪を撫でてくれていた。

「ん… おはよう… 時雨」
ややくすぐったそうに、髪を撫でてくれる手に擦り寄りながら。

「おはよ 咲也」
微笑み咲也の髪を撫で続け。

「んー こうやって…ずっと… 時雨とベッドの中で… じゃれ合ってたい気分…」
遊郭から出て一応『家』に帰ってきたからなのか、気が抜けたように時雨とぐっすり眠ってしまって、『謹慎中』なのを忘れそうになってしまう。

「うーん、そだね… 悪くないかもね」
二人きりになるといつも甘えん坊になる咲也を
かわいいなぁと撫で続けながら。

「…時雨… ちゅ」
時雨を抱きしめたまま頬に軽く口付け。

「ん…」
くすぐったそうにキスを受け。

「…ん…」
ぎゅっと抱きしめを強くし、時雨の首筋に顔を寄せて擦り寄る。

「今日は…なんか甘えん坊さんだね…いつもだけど」
くすっと微笑みながら抱き返してやり。

「うん… 時雨と久しぶりにエッチして… そのまま寝たら…気持ちよくって… すごいぐっすり寝ちゃった…」
照れ笑いを浮かべながら至近距離で時雨を見つめる。

「うぅ… 自ら望んだことだけど…やっぱ身体痛い…」
我に返ると傷がジンジンと痛みを持っていて、あまり弱音を吐かない時雨が咲也には素直に痛みを訴える。

「う… 大丈夫…?」
心配そうな表情で見つめながら、時雨の背中をさすって。

「大丈夫だよ… 咲也」
痛みを堪える風に笑って見せて、それでもぎゅっと咲也に抱きついて痛みを我慢するようにして。

「…治るまで…ゆっくりしようね…」
時雨の背中をさすりながら抱きしめて。

「うん… 治ったらいっぱいエッチする…」
「うん…」
懲りない風に言う時雨に思わず笑いながら。

「でも…こんなにゆっくりできたの… いつぶりだろ…」
咲也の腕の中でぼんやりと考えてみる。

「んー… 時雨には『初めて』なんじゃない…? 遊郭に来る前も…含めて…」
ずっと疲れていただろう時雨を労るように優しく髪を撫でて。

「…そうだね そういうことになるのか…」
咲也の言葉に苦笑いを浮かべながら。

「うん… だから…時雨の楽しいこと… いっぱいして… ゆっくり『休暇』してもらいたいな…」
今までの嫌なことを忘れるくらい… 時雨に楽しんでもらいたいと、心から思いながら時雨に微笑む。

「楽しい…ことかぁ あるのかな…」
普通の子供のように遊んでこなかった時雨には、『快楽』以外の『楽しいこと』というのがあまり考えられなくて。

「とりあえず 冷蔵庫に… ケーキがいっぱい… 待ってるよ…?」
時雨の喜びそうな甘味に話題を持っていく。

「…! まだある?」

予想通り食いつく時雨にくすくす笑いながら
「パサついちゃうから…今から食べる?」

「食べるよ もちろん」
それまでまだどこか眠たそうにベッドで転がっていた時雨が急に活き活きとして。

「下…行く? それともベッドで食べる…?」
そんな時雨を微笑ましく見つめながら身体を起こす。

「ここで食べるよ 寝そべりながらケーキね」
まるで王様気分とでも言わんばかりに、遊郭では出来ないお行儀の悪い行為に、にししと笑って寝そべったまま待機する。

「分かった… また『あーん』って… 食べさせてあげる…ね…? 取ってくるから…ちょっと待ってて…」
昨夜の行為で脱いでいたカットソーを着て、ジーンズを履き直して台所に向かいケーキを取りに行く。

「もうカップル設定でいいよ…これ」
甘えてきたかと思うと『あーん』と食べさせるなど言ってくる咲也に、気恥ずかしさを感じながらため息をついて。

「お待たせ… 紅茶淹れるの面倒だったから ペットボトルのアイスティーでいい…?」
ケーキの白い箱とアイスティーのペットボトルとフォークとガムシロなどをサイドテーブルに置いてベッドに腰掛ける。
「色々残ってるけど…どれから食べる? 全部食べるんだから…順番なんて…気にしない?」
箱を膝に乗せて中身を時雨に見せ。

「うーん… どんなのかわからないけど… 食べられたらいいや」
色とりどりのケーキに目移りしながら。

「『高級遊郭』なんだから…お客様から… 有名なお店のケーキとか… いっぱい…貰ってそうなのに…」
朝からベッドでケーキという、『パンが無いならお菓子を食べればいいじゃない』的な態度が時雨に似合うことにくすくす笑いながら。

「なーんか分かんないけど…時計とかくれる…」
お客からのプレゼントに興味なさそうに答える。

「うわ… ロレックスとか…?」
流石は『高級遊郭』 時雨ほどの売れっ子になると貰うものが違うなぁと感心しながら。

「ブルガリ…とか?」
遊郭にいる間に腕時計など身に付ける機会もないので箱に入ったままのうろ覚えで。

「なんか…ホストクラブっぽいねぇ…」
噂に聞く高級品を貢いでくる有閑マダムなお客様というのを思い出して。

「お金持ちの感覚…よく分かんない… こんなので心が動くと思ってるのかな?」
不思議そうな表情で首を傾げる。

「高級品よりも甘い物で心が動いちゃう時雨だって… 知らないんじゃない…?」
『甘いものくれたら懐いちゃうかも』とまで言っていた時雨を思い出してまたくすくす笑い。

「たぶん知らないんじゃない? 上客以外は」
そんなことより早くケーキちょうだいっと、ねだるように咲也の袖をくいくいっと引っ張る。

「くす… 甘い物目の前にすると… 子供っぽくなって…かわいいの…知らないなんて もったいないなぁ…」
催促してくる時雨に頷いて。
「…二人きりで食べるんだし… お行儀悪くてもいいよね…? 全部を一口ずつ食べちゃおうね…?」
フォークにサクサクのパイ生地にトロけたリンゴを乗せて、アップルパイを時雨の口元に持っていく。
「はい… あーん」

「子供…ねぇ… そうなのかな? ん はむ…ん…んん…これは」
もふもふとパイを食べて。

自分も一口食べて
「ん… サクサクのトロトロ… おいし…」

「んー 美味…美味…」
ベッドに寝そべって目を瞑りながら味わって。

「くす… ベッドでケーキなんて 『怪我人』の特権みたい…だね… はい… アイスティー」
ストローを刺して時雨の口元に向ける。

「あ、シロップ3つね」
向けられたペットボトルの紅茶の銘柄を見て、市販のままじゃ甘さが足りないと言わんばかりに。

「ん…」
甘い物へのこだわりに感心しつつ、ガムシロのポーションをペットボトルに追加してストローでよく混ぜてから再度時雨に向けて。

「ん こく…」
ストローで紅茶を一口飲んで次に来るケーキのために口内に残るアップルパイをリセットする。

ケーキの角からではなくサクランボの乗った一番美味しいところをフォークで刺して。
「はい… また鼻先にクリーム付けないでね…?」
冗談交じりにチョコケーキを時雨の口元に運ぶ。

「はむ…ん…うま…んん…」
なめらかなチョコクリームを味わって。

「ん… ガトーショコラとは違う… チョコの…クリームが… 美味しいね」
真ん中に挟まったサクランボが甘酸っぱい。

「ん…うまい…次のケーキも… んぐ…ちょうだい」
どんどん食べ進めていく勢いの時雨。

「ん…」
甘いチョコクリームの後味を堪能しつつ、次はさっぱりした桃のタルトを選び。
「はい… あーん」
フォークでは切れないタルトを、丸いまま手で持って時雨の口元に持っていく。

「あむ…ん さっぱりしてて…おいし…」
まるごとタルトと桃にかぶりついて。

「この間のクレープの時も…桃…美味しかったけど… やっぱり生の桃は…美味しいね…」
ザックリしたタルトとジューシーな桃がよく合って。
時雨程ではないが一口ずつ色んなケーキを味わうのが楽しくなってきて。

「んー… 咲也にも『あーん』ってしてあげようか?」
突然言い出して寝転がっていた身体を起こして、咲也の横から顔を覗きこんでくる時雨。

「え… いいよ…」
照れて俯いてしまう咲也。

「咲也は…どれ食べたい?」
俯く咲也を無視して右手からフォークを奪い、ケーキの箱の中と咲也を交互に見つめて。

「うー… …んじゃ レアチーズケーキ…」
頬を染めながら、やめてくれない雰囲気の時雨に躊躇いがちに応える。

「ん…じゃ」
レアチーズケーキをフォークで一口サイズに切って。
「はい あ〜ん」

「ん… あー… ぱく」
時雨の切ってくれたレアチーズケーキを、恥ずかしそうに小さく開けた口で食べて。

「……どう?」
ケーキの味についてなのか、『あーん』ってすることになのか、曖昧な問いかけをする。

「ん… プルプルしてて… 美味しい…」
顔を赤くして俯きながらケーキの味の方に答える。

「咲也 顔 真っ赤だね」
じーっと咲也を見つめたまま。

「…するのは…気にならなかった…けど… されると…恥ずかしい…ね…」
照れ笑いを浮かべながら、今度は『あーん』について答える。

「んー 僕に尽くすのはなんともなくて 尽くされるのは慣れてない…のね」
くすっとからかうように笑いながら、咲也の髪をポンポンっと優しく撫でる。

「ん… そうみたい…」
更に俯き顔を赤くしながら。

「今はこれくらいしか出来ないけど…」
少し寂しそうに微笑みながら咲也を見つめ。

「ううん… 一緒に過ごせるだけで… 嬉しいって…言ったでしょ…?」
時雨の言葉にゆっくり顔を上げ。

「もっと貪欲に」
突然時雨が初めて咲也に触れた時のように、唇を細い指でなぞってくる。

「え…?」
ドキッとして時雨を見つめ返し。

「なればいいのにね」
すーっと指で唇を滑らせ。

「…っ」
かぁぁっと顔が熱くなるのを感じながらも視線が外せない。

「欲しければ 否応無しに 奪えばいいのにね」
時雨が誘っているのか、咲也に誘えと言っているのか、甘美な響きの言葉で語りかけてくる。

「ぅー… …じゃあ… もう一口… レアチーズケーキ…ちょうだい? …時雨の…口…から…」
完全に時雨のペースに飲み込まれてると感じながらも時雨の唇を待って目を閉じる。

「うん 言うようになったね 咲也…」
一口レアチーズケーキを口に含み。
「ふぁい… あ〜ん」

「ん… クチャ… くちゅ…」
唇を重ねてきた時雨から素直にケーキを受け取らず、時雨の口の中でドロドロに溶かすように舌で舐め回す。

「んっ …んんんっ〜ふあっ…くちゅ…」
咲也の舌とケーキが絡まり合っていやらしい音を立てて。

「ん…っ ちゅく… ちゅ… こくん …はぁ 時雨… ちゅっ」
甘い白濁のようになったレアチーズケーキを飲み込んで、それでも唇を離さず甘いキスを続ける。

「んぅ…咲也…くちゅ…んぁぁっ…」
咲也の口に流れていく甘い物を追いかけるように舌を絡ませて。

「ん… ちゅく… はぁっ」
時雨の口内に残る甘味を舐め尽くすように舌を差し込みねっとりと舐め回す。

「んああ… 咲也ぁ…くちゅ…んはぁ…」
咲也の舌使いにぞくぞくとこみ上げるものを感じて。

「くちゅ… 時雨… そんな声…聞いたら… はぁ シたくなっちゃ…う… ちゅっ」
上顎の敏感な部分を下で啄くように舐め。

「咲也… んぁ キス…上手くなったね… ちゅ」
『教育』の時のたどたどしい咲也のキスを懐かしく思い出しながら。
「『教育』は…咲也の物覚えが良くて助かったよ…」

「…っ」
物覚えが良いと言えば聴こえはいいが、要するに最初なのに快感を感じてしまっていた自分を思い出し恥ずかしくなる。

「他の子の『教育』もするけど…ああはいかない」
咲也とのキスで何かを思い出したかのようにポツポツと話し始める。

「そうなんだ…?」
自分は時雨が『教育係』で良かったと思っているほど気持ちが良かった思い出しか無いので時雨の言葉に素直に聞き返す。

「やっぱり抵抗したりするし… 咲也みたいに最後までいくのは稀」
淡々と話し続ける時雨。

「ぅ… 思い出すと恥ずかしい…」
時雨とは逆にまた顔を赤らめて俯く咲也。

「あんまり抵抗するなら媚薬飲ませるんだけどね」
そこまでしなくちゃならない『教育係』の辛さを軽く愚痴るように。

「へぇ…」
そんなものの存在も知らない咲也は時雨の言葉を聞き流し…
他の子とそんな風にしてる時雨を今は忘れていたいなぁっと思っていると…

「咲也に使ったらどうなるかなぁ…」
「…ふえ…?」
突然の時雨の言葉に間の抜けた声を上げて時雨を見る。

「ちょっと試してみたい」
ひょいっとベッドから降りると、寝室に置いていたリュックサックの中から、滋養強壮剤のような茶色い小瓶を取り出す。

「…え? なんでそんなもの持ってきてるの…」
という疑問の言葉を唖然としながら呟く。

「咲也覚悟…」
瓶を持って突撃してくる時雨。

「ちょ… なにそれ…」
ジリ…っとベッドの上を後ずさるも、すぐに背中が壁に触れて逃げ場を失う咲也。

「待て待て〜 男なら勝負だ」
妙に真剣な表情で近寄ってくる。

「意味分かんない〜」
時雨の差し出す瓶をグイグイと押し返して。

「…なんとか飲ませたい…」
うーん…と真面目なのか冗談に聞こえない声で言いながら方法を考える時雨。

それを見て観念したように深くため息を吐いて。
「…時雨も飲むなら… 飲んでもいい…よ…?」
交換条件を出して。

「うーん…咲也がお先にどうぞ」
咲也に小瓶を手渡す。

「じゃあ 時雨が『飲んだふり』しないように…」
小瓶を受け取り口に含むと時雨に経口投与していく。

「んむぅ…うう…こくん」
咲也の行為に慌てたように声を上げるが流し込まれてくる媚薬を飲み込んでしまう。

時雨が飲んだことを確認して口を離し
「…こく…」
自分も一口飲み込む。

「うう…やばい…熱い…」
早くも効き目が出ておでこに手を当ててクラクラする頭を押さえるようにする。

「ん…この間のお酒…みたい… ふぅ…」
喉の焼けるような甘い後味に口を抑え。

「はっ…はっ…熱いよ…咲也…」
体が異常に火照って。

「うん… 時雨 熱いのに…体温に触れたい…はぁ」
時雨の頬を両手で包むように持って熱っぽい瞳で見つめる。

「咲也ぁ…ちゅぅ…ぺろ」
顔を近づける咲也の唇に吸い付く。

「んぁ しぐ…れ んんっ ちゅく」
さっき経口投与で触れた時より唇が熱くなっているのが伝わってくる。

「ばかぁ…少量でいいのに… いっぱい飲ませるから…もう…ぐちょぐちょ…」
昨夜の行為で脱がしたままだった時雨の下半身は屹立がそそりたち先走りで濡れている。

「一口分…だったよ…? ふ… はぁっ」
片脚を時雨の両足の間に挟ませて、自分はジーンズを履いたまま布越しに屹立同士を押し付ける。

「あれ…薄めるんだよぉ…本当は… んああっ…気持ちいい…」
布越しでも強烈に感じて腰を振り。

「んっんっ だって… 時雨が… はぁん 瓶ごと…持ってくるから… ぁんッ」
時雨が腰を振るのに合わせて腰を抱いて密着させる。

「んああっ…飲ませるって…いっても… キャップ一杯…んひゃうっ…いくっ…」
早くも一発目を達してしまう。

「んぁぁ…っ しぐ…れ…ッ ゃ…ぁああッ」
布越しにじわっと熱さを感じれば自分も一緒に絶頂を迎える。

「は…早… でも收まらない…んああ…」
ぐちょぐちょと屹立を扱いて。

「はぁ…はぁ… 何…これ… イッタのに… 収まらないよぉ… んぁッ」
ジーンズから屹立を取り出し、時雨に擦り付けるように扱いて。

「ああん…咲也ぁ…やばい… 気持ちいい…んあああっ…」
ヌルヌルと屹立を合わせて扱いて擦る…
片手で乳首を自分の手で弄り。

「ふぁぁッ んん…ッ 時雨… はぁ はぁッ」
快感に全身を震わせながら、自分も持ってきたボストンバックから、あるモノを取り出す。
「時雨… 一条様に… 『双頭バイブで遊びたい』って… おねだりした…? 一条様が…『私にはその趣味はないんで 咲也が相手をしておやり』って… 僕にくれたんだけど…」
手にはU字型の双頭バイブが握られていて。

「ふやあ…んんんっ…さくやぁ…」
咲也が双頭バイブを取り出すと孔が疼いて。
「さくや…そんなの入れたら…飛んじゃうよぉ…」
しかし衝動を抑えられず孔をいじり。

「でも… 欲しいんでしょう…?…」
二人の屹立から溢れる先走りをたっぷり塗って。
ピンクのシリコンで出来た双頭バイブには、カリを模した凹凸が4段も付いていて。
「いくよ…? 時雨」
ぐちゅん…と時雨の孔に先端を沈め、自分の孔にもあてがうと、二人同時に奥へ入るように押し込んでいく。
「んぁぁっぁぁあ…ッ」

「うん…はあっ…こんなんで ぐちゃぐちゃにかき回されたら…」
大きなカリが孔に埋め込まれていき。
「ひやあああっああん…いぐぅ…」
入れた瞬間に絶頂に達してしまう。

「ふ…ぁッ 時雨… 感じすぎ… 色っぽい… はぁッ んんッ」
対面座位の格好でバイブの底をベッドに押し当てて、二人で抱き合ったまま身体を上下に揺らして抜き挿しを繰り返しながらお互いの屹立を扱き合う。

「やっ…ふあっ…媚薬…きつすぎ…んあっ 咲也ぁ…そんなに揺らしたら…」
ガツガツと奥を拡げるバイブに目がチカチカし前でも後ろでも甘美な快楽を貪る。

「はっはぁっ あ… ダメ…っ またイク…ぅ…ッ」
ドライオーガニズムを繰り返す。

「はああっ…だめ…また…いくっ んあああ… 出ないのに…いくぅっ…」
身体を痙攣させドライで連続で絶頂し失神寸前。

「時雨…っ しぐ…れぇ あ…はぁ 好き…だよ… んぁッ 時雨っ」
時雨の呼吸を奪うように唇を重ねて、時雨の口内に喘ぎ声を零しながら身体は止むことのない快感に腰を振り続ける。

「うあああっ…咲也ぁ…気持ちいい… 気持よすぎて…おかしくなるっ…ふやあっ…ちゅば…れろ…」
咲也のとろける舌を舐めまわし…
バイブのきつさを感じながら咲也に抱きついて。

「んっ ちゅく 時雨…っ はぁぁ…んッ ちゅぅ ちゅッ ぁああ…あ…っ またイ…っく」
今度は屹立から勢い良く白濁を吐き出し、抱きついている時雨の胸を濡らす。

「はああっ… …咲也ぁ… こんなに撒き散らかして…」
咲也の白濁を浴びてヌルヌルの胸を、咲也のカットソーをめくり上げて胸に押し付ける。
「もう…全身…気持よくて…んああっ…」

「ふ…ぁあッ …んんッ 時雨ぇ… もっとぉ…」
カットソーを脱いで時雨の胸についた自分の白濁で二人の乳首を擦り合う。

「咲也…エロすぎ…ちくび…いい… もっとコリコリして…」
同じく擦り合う屹立はひくんひくんと脈打って。

「はぅ…んっ 時雨と…全身…繋がってる…みた…い… ふぁッ はぁ…ッ」
多幸感からまた屹立は堅さを取り戻し、時雨の屹立と合わせて扱いていく。

「そう…咲也の快感まで伝わってきそう… ひぃんっ…扱いたら…また…」
背すじを反らせて先走りを溢れさせて。

「もっと… 気持ちよく…なって…?…」
双頭バイブのリモコンをカチっとONにすると、二人の孔の中でヴヴヴヴヴヴヴヴ…と低い音を立てながらバイブが激しく振動する。
「あぁぁああぁぁっぁあ…ッ」

「う…そ… そんなのっ だめぇっ…」
リモコンを見るやいなや、この先自分の身に何が起こるか予測できたがもう遅い。
「きああああああああっ!」
あまりにも暴力的な快感に悲鳴にも似た叫びをあげる。

「あぁぁっぁぁ…ッ 時雨ッ 時雨ぇ… うあぁ…ぁあんッ はぁッあ 時雨…はぁぁ…っ」
強すぎる快感に、もはや言葉らしい言葉は時雨の名前だけになっていて。
全身をビクンビクンと震わせるたびに、孔がバイブを締め付けて、また何度もドライオーガニズムを繰り返す。

「いやあああっ…だめっ…死んじゃう… 気持よくて死んじゃう…!」
身体を仰け反らせてそれでもなお咲也の身体にしがみついて快楽の拷問に耐える…
しかしついに限界が来て。
「ひやああああぅああああ!」
女性の潮吹きのような薄い精液を噴射して果てる。

「んぁ…ぁぁぁああ…ッ 時雨ッ はぅぅんッ んっんんん…ぁぁあ…ッ も… ダメ…ぇ… ぁああああ…ッあーーーーっ」
ぎゅうっと時雨にしがみつくように抱きしめ、一際大きく腰を跳ねさせると最後の白濁を吐き出して。

「ひぃ…こんなの…ないよぉ…」
咲也を抱き寄せながら、パタリ…とベッドに倒れバイブはぬるりと抜けて。
「咲也…」
身体はまだ震えていて。

「はぁ… は…」
荒い呼吸をしながらバイブのスイッチをOFFにし二人の孔から抜き取って…
ぐったりしたように時雨に寄り添ってベッドに身体を横たえる。
「時雨… はぁ… 媚薬…すごい…ね…」

「死ぬほど気持ちいい… 本当に天国が見えそうだったよ」
ダルイ腕で咲也の汗で張り付いた前髪を額から撫で上げ。

「ん… 時雨…」
撫でてくれる手に擦り寄り、快感の余韻と媚薬の効果が切れてきたのかどっと疲労感に襲われ時雨に擦り寄りながら目を閉じる。

「咲也… 大丈夫? 疲れた?」
咲也を撫でながら自分もふぅ…と息をつく。

「だって…『薄める』とか…『キャップ一杯』なんて… 知らなかったし…」
目を閉じたまま拗ねたように唇をへの字にして。

「ごめんよ…咲也…ちゅ」
咲也の頬にキスして。

「ん… もういいよ… …気持よかった…し…」
顔を時雨の方に向け、頬に口付ける唇に重ね。

「ん…ちゅ…おいし」
媚薬の残り香を味わうように、二人キスを貪って

咲也は気持ちのいい疲労感に包まれ眠りに落ちていく。

時雨は咲也の寝顔を見つめ微笑みつつ、残りのケーキに一人舌鼓を打つ。




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