第二十七話
「trick & treat!」
遊郭ではハロウィンパーティーの飾り付がされ男娼たちも各自のコスプレをして接客にあたっている。
そんな中まだ時雨以外の人前で『ウルフキャット』の格好で居るのが恥ずかしい咲也は、『少年ドラキュラ伯爵』のコスプレをした時雨の腰丈のマントの裾をきゅっと掴み背後に隠れてモジモジしていた。
「なあに? まだ恥ずかしの?」
顔を赤らめて寄り添う咲也をやれやれといった表情で見つめる。
今日は例によって一条様との予約が入っていて咲也も一緒にくるように言われている。
咲也の緊張や不安が取れないのもそのためだろうか。
「うにゃ… だってぇ…」
情けない声を時雨に返し。
一条様には来店時やお帰りになる時に声をかけてもらったり面識はあるものの、普段は時雨しか買わない時雨の上客である。
失礼の無いようにと緊張もしている。
他の人に抱かれる時雨の姿を見るのもなんとなく恥ずかしいと思ってしまう。
さらに小さく縮こまる咲也の頭を撫でて
「大丈夫さ咲也…
僕の言うとおりにすればきっと満足してくれるはずさ。
もしかしたら、咲也もこれから指名をとれるかもね」
と、男娼たちやお客様を眺めながら咲也に言い聞かせる。
「う…うにゃ…」
時雨に頭を撫でられて小さく頷く。
一条様の来店までロビーで待機している間にも続々とお客様が来ては
「trick or Treat?」
と、声をかけられる。
時雨と咲也は声をかけられると、咲也の焼いたカボチャのマフィンや紫芋のパウンドケーキを配っていく。
時雨は配られるお菓子を次から次へと手にとり、頬張っていく。
一条様を待っているというのにやはり時雨はマイペースを貫いている。
「あー、trick&treat! お菓子ちょーだい!!」
自分が口走っている言葉が微妙に間違えているのにも気がつかずとにかくお菓子に手を出す。
「時雨… フランケンシュタインが睨んでるニャ…」
二人から離れた所で待機中のいかついメイクをした柚槻の視線を気にしてクイクイと袖を引っ張る。
「予約がなかったら怒鳴り込んできそうな雰囲気だニャ…」
はらはらおろおろしながら時雨と柚槻を交互に見つめる。
時雨はびくりとフランケンシュタイン、…もとい柚槻のほうを見やる。
なにやら黒いオーラがでそうなほど不気味に笑い、かつ目が笑ってない。
時雨に向けて親指で首をかっ切るジェスチャーをしたあたり、このあと無事にいられる気がしない。
とりあえず手に持っているお菓子を咲也に預けておとなしく椅子に座る時雨。
配るお菓子とは別に戴いたお菓子を入れていたカゴに、時雨のお菓子を入れて咲也もほっと息を吐く。
これ以上食べたら『脱いだらお腹ポッコリ』なドラキュラになってしまうと思っていたことは内緒にして、椅子に座った時雨の足元にちょこんと正座して一条様を待つ。
時雨はおとなしくなったものの内心柚槻に文句を言いながらカゴの中のお菓子を物欲しそうに見る。
そうこうしていると一条様が到着する。
ロビーに居る男娼たちは皆、一度はお世話になっている上客の一条様を迎える。
「やぁ 皆可愛いね」
一条様からのかぼちゃのプリンをボーイの子が配っていく。
時雨と咲也の前で足を止めると
「やっぱり二人が一番可愛いな」
なでなでと時雨の髪を撫で、時雨の脇の下に両手を突っ込んで軽々と抱き上げる。
「今日は咲也も一緒だから時雨も嬉しいだろう?」
床に座る咲也に目線を送る。
一条様と目が合えば時雨の躾通り四つん這いになって一条様の足元に寄って一緒に部屋へ向かう。
「いらっしゃいませ、一条様」
時雨はすっと胸に手をやり優雅に挨拶をする。
ふわっと体が浮いて目線が合えばまるで親子であるかのように思える。
「今宵は一条様のために、ウルフキャットを躾ました
そちらも楽しんでいってください」
と、咲也の顎を撫で、一条様を部屋へ案内する。
抱き上げた時雨をそのまま抱いて行き慣れた時雨の部屋へ向かう。
後ろをちょこちょこと四つん這いで付いて行く咲也。
お菓子のカゴはボーイの子が運んでくれる。
時雨の部屋に着くといつものように時雨をベッドに降ろし、その足元に座る咲也にも持ってきたプリンを渡す。
「まずは冷えてるうちにお食べ」
二人にお菓子を与えて自分は時雨の部屋にキープしているブランデーを用意してくつろぐ一条様。
一条様がくつろぐのを見て時雨もベッドに座りその隣に咲也も侍らせておく。
差し出されたプリンを咲也の目の前に置いてやる。
「ほら、咲ニャ… ちゃんとお礼と
一応初めてのお客様だから挨拶しなきゃ」
時雨は咲也に言い聞かせる。
「うにゃ…
一条様…いつも僕にも良くしてくださって
ありがとうございます。
今日は初めて買っていただき嬉しく思っています。
よろしくお願いします」
ぺこりとお辞儀をする。
「咲也とは初対面でもないし
そんなにかしこまらなくて良いよ。
どうやら時雨は厳しいご主人様のようだね?」
くすくす微笑みながらブランデーを一口。
「二人のお菓子はこれかな?」
紫芋のパウンドケーキを取りブランデーのつまみに食べていく。
「リキュールが効いていて美味しいね。
これは時雨が食べ過ぎるのもうなずける」
咲也の髪を撫でて褒める。
「よしよし、いい子だ」
しっかりとした挨拶に一条様も固くならずにと気を遣ってくれる。
「いえ、しっかり礼儀は正さないといけませんから…
これくらいは当然です。
今宵は私の飼い猫でもありますので」
と、ぺこりと頭を下げる。
一条様がケーキを頬張り感想を述べれば時雨の顔が赤くなり
プリンをちびちび食べて誤魔化す。
「時雨は…厳しいけど…
これも愛情の現れだと思ってます…」
一条様の大きな手で撫でられれば照れくさそうに微笑み。
「いただきます」
と、かぼちゃのプリンをいただく。
蒸して裏ごししたかぼちゃを使っているのだろう。
濃厚でしっかりとしたかぼちゃの味が美味しい。
お菓子作りが趣味でもある咲也としては参考にしたいくらいの美味しいプリンに舌づつみを打つ。
「んー、美味しい!甘い〜」
時雨はここぞとばかりにプリンを掻き込み上品な甘さを存分に味わう。
一条様もその姿を我が子を見るように眺めている。
おかわりと言いたいところだが、さすがに卑しい真似はできないと我慢しておく。
「うにゃ おいしいですニャ…」
何個でも食べられそうな、なめらかなプリンを食べ終わると時雨から空き容器を受け取り片付けに行く。
咲也が席を外している間に一条様がソファからベッドに移り時雨の横に腰掛ける。
「ペットに躾…か…
ご主人様の時雨はどんな調教をしたのかな?
興味あるね」
ふふっと微笑み時雨の唇を味わう。
くちゅりと唇が合わさればブランデーの香りが鼻を突き抜け、胸が熱くなる。
「飼い猫が帰ってきたらご覧にいれます。
それまでしばらくお待ちを… ちゅ」
濃厚なキスを交わしながら咲也が帰って来るのを待つ。
「ちゅ…
このまま咲也に見せつけるつもりかい?
意地悪なご主人様だ…」
そう言いつつもやめる気はなく時雨とのキスを深めていく。
チラと片目を開ければ咲也がじっと座って待っている。
その表情は複雑そうだ。
「はあっ
…こうやってけしかけないと安心しちゃうんですよ。
私の飼い猫は」
チラリと横目で咲也を見る。
その表情は嫉妬や色々な感情がいりまじる。
一旦一条様から離れて咲也の顎をあげる。
「さあ我がペット。
一条様にご奉仕するんだ」
「はいニャ…」
時雨の言葉にベッドに上がり四つん這いのまま口で一条様のネクタイを喰み緩めていく。
時雨のドラキュラ衣装で練習したとおり口でワイシャツのボタンを開けていく。
「なるほど 手を使わせないのか…」
咲也にされるがまま大きな羽毛枕に身を預ける一条様。
時雨は咲也の奉仕にじっと見つめて躾の成果を確かめる。
咲也はその衣装だけでも強烈な色気がある。
さらに猫語や艶かしい動きが加われば、もはやこの世のものとは思えないくらいに淫らに映るだろう。
ボタンを咥え唇と舌を使って外していくのは手で外すのとは比べ物にならないほど時間がかかる。
一条様が焦れったくならないように懸命にボタンを開けては肌蹴させた胸板にキスを落として次のボタンに取り掛かる。
「焦らなくて良いよ…」
咲也の懸命な奉仕に満足そうに微笑みながら髪を撫でてやる。
「こんな躾をするなんて
時雨はどこで覚えてきたんだろうね?」
くいっと時雨の赤い蝶ネクタイを引っ張り再び唇を重ねる。
「ご冗談を…
一条様も僕に色々教えてくださったじゃないですか… ちゅぱ」
時雨は一条様の口内に舌を絡めて、ねっとりと唾液を味わう。
咲也がすべてのボタンを取る頃にまた咲也のそばによる。
「咲ニャ… ちゃんと一条様に
気に入られるようにするんだよ」
と、背中をつつと撫でる。
「ふにゃぁ… はいニャ」
背中を撫でられびくんと肩をすくめつつ一条様のベルトに手をかける。
「ベルトは…革が傷んでしまうので…
手を使うことをお許しくださいニャ…」
そうことわってからカチャカチャと外していく。
「そうだったかな?
ふふ… 時雨はなんでも覚えがよくて
『躾』たつもりはないんだがね」
パチンと蝶ネクタイを外しキスをしながら時雨のベストとワイシャツのボタンを外していく。
「せっかくのコスプレだから脱がすのはもったいないね
このまま肌蹴させたままが良いな…」
すべすべと時雨の胸板を撫でる。
「ああん…やあっ
一条様の言いつけとあらば
なんだって覚えますよ、んあ…」
滑らかに身体をなぞる指に声をあげつつ一条様をいとおしく見つめる。
そうしているうちに、咲也は一条様のズボンのファスナーを口に咥えてジーと下ろし脱がしていく。
いきり立つ一条様の屹立に手を伸ばしていく。
咲也は時雨のほうを向き時雨の指示を待っているようで、それにこくりとうなずいて。
「一条様を丁重にもてなしてね、咲ニャ」
「はいニャ…」
時雨の指示にこくんと頷き一条様の屹立を両手で掴んで扱きつつ口に含んでいく。
この遊郭の男娼ほぼ全員を絶頂に連れて行ったと言っても過言ではないそれは、どのお客様のものより太さも長さも堅さも立派なもので。
咲也は小さな口を精一杯開けてんぐんぐと飲み込めるだけ奥まで咥えてご奉仕していく。
咲也がご奉仕を始めたのに合わせて時雨も一条様にさらに絡み付くようにすりよれば一条様と深いキスを交わし滴る唾液を丹念に舐めとる。
「ふぅ… ちゅく」
左腕で時雨の頭を抱き寄せ深く口づけながら右手で咲也の頭を抑えてリズミカルに上下に動かす。
「はぁ… こうして時雨とキスをしているのに
下半身も気持ちいいとは
なかなか経験できんな はぁ」
二人からの奉仕に満足そうに微笑みキスを深くしていき時雨の胸の突起を弄る。
「ひゃ…はっ…ああ…一条さま…ぁ」
手慣れた手つきで時雨の乳首をこねくりまわされ、もっともっとといわんばかりに胸を突き出してふるふると体を震わせる。
時雨の突起も熱を帯び、熱く硬く怒張する。
自分以外の『お客様』からの愛撫に漏らす時雨の甘い声に不思議な興奮を覚えながら一条様の屹立をしゃぶっていると、一条様が右手をとって時雨のズボンの上に導かれる。
「咲ニャ… ご主人様も一緒に
気持ちよくしてやっておくれ」
自分は喘ぐ時雨を間近に抱きしめながら時雨の痴態を見たいと言うかのように指示をする。
時雨は一条様のはからいに応じてズボンをおろし小ぶりの屹立を咲也に握らせる。
咲也のひんやりとした手が屹立に淡い快感をもたらす。
「ニャ… 時雨… ちゅ」
左手に一条様の大きな屹立、右手で触りなれた時雨の屹立を掴んで左右を同時に扱きながら、口は交代に咥えて2本の屹立にご奉仕していく。
「咲ニャ…気持ちいいよ…
一条様とのキスもとろけそうで最高…」
咲也の頭を撫でながら一条様とのキスを甘く味わっていく。
淫らな三角関係はどっぷりと欲情に浸かろうとしている。
「ああ… 気持ちがいいな
時雨の喘ぐ顔をこんなに間近に見るのは
滅多にできないしな… ふ…ぅ… ちゅく」
時雨と一条様とでは体格差がありすぎて対面座位でもキスできる角度にはならないためこの状況を愉しむ。
「はいニャ…
二人とも気持ちよくなってくださいニャ
ちゅぷ くちゅ…」
時雨にも頭を撫でられ嬉しそうに微笑み、ちょっときつめに屹立に吸い付く。
「ああああっ…なんかっ
いつもより熱くて気持ちいいよっ…咲ニャ…」
まるで媚薬を飲んだあの日のように身体は熱くどうしようもなく感じてしまう。
咲也の吸引をもろに受けてしまえば身体をひくつかせて絶頂へと昇りつめ白濁を吐き出してしまう。
「んッ んく… …ん…」
時雨の白濁を受け入れると右手で時雨を扱きながら、時雨の白濁を口の中に残したまま一条様の屹立を咥えて左手に白濁を垂らして咥えきれない屹立の根元まで、ぬるぬるとローションのように塗りたくっていく。
「あ、んあっ…はああ…咲ニャ…」
絶頂の余韻に浸りながら一条様にくたりと身体を預けて息を整える。
そのうち時雨も
「一条様の…ご奉仕をしたいです」
と、股ぐらに近づいて咲也と一緒に屹立を慰めていく。
「時雨はもうイッテしまったのかい?
快感に敏感になってきたのかね?」
ぐったりと脱力する時雨を愛おしそうに抱き寄せ汗で張り付く前髪をかきあげておでこにキスを落とす。
二人が足の間に入り左右から舐められれば
「なかなかない絶景だな… ふ…ぁ」
両手で二人の髪を撫で自分の屹立を挟んでキスし合っているような二人を見つめる。
咲也が屹立を咥え、時雨が根本から裏筋を舐めあげて時に陰嚢をコロコロと含み転がす。
二人の男娼はまるで一つの屹立を奪いあい貪るようにも見える。
「ふ… くぅ… 時雨も咲ニャも巧いな…
イってしまいそうだ… はぁ」
目を閉じて二人の奉仕を感じながら
「時雨… 離れていなさい
咲ニャにミルクの時間だ…」
限界を感じつつ屹立を咥える咲也の頭をぐっと押し付ける。
一条様の声に余裕がなくなり咲也の頭を押し付ける。
「咲ニャ…しっかり味わうんだよ
こぼさないようにね?
この世に二つとないミルクなんだから」
と、咲也に言い付けて。
「んにゃ… んんぐ…」
喉の奥まで屹立が入り込み苦しそうにしながらも時雨の指示に頷く。
「くぁっ イくぞ…っ」
「ふぁ… んぐんぐ… はぁっ ごくん」
一条様の屹立からはじけたミルクをむせ返りそうになりながら飲み込んでいく。
「ん…ちゃんと飲み干せたようだね
特濃ミルクの味はどうだい?」
苦しげな咲也に時雨が背中をさすり問いかけ。
「はぁ… けほ んにゃ…
熱くて…美味しかったですニャ…」
唇に残るミルクをペロリと舐めて一条様と時雨に微笑みかける。
「いい子だ 咲ニャ」
ベッドから上半身を起こし咲也の頬にキスをしてそのままベッドに押し倒す。
「次は咲ニャの番だな
時雨 可愛がってあげなさい」
時雨にそう指示しつつ時雨の背後から再び乳首や脇腹に指を這わせる一条様。
「ふああっ…はい、一条様ぁ…」
とろんと顔を赤らめて、咲也の方に向きなおると
「咲ニャ、足を開いて」
と、短く言葉を交わす。
時雨の屹立は回復してまた痛いくらいに怒張している。
「う…うにゃ…」
一条様からの愛撫に甘い声をこぼしながら自分へは主従の関係を表すかのような時雨の声に緊張しながら足を開く。
黒ファービキニパンツはもう熱く盛り上がっている。
「入れやすいように
おねだりしてみな? 咲ニャ…」
ビキニパンツを撫であげて屹立を煽るように責め立てていく。
「う… し…尻尾…抜いて
時雨の…おちんぽ…入れて…ニャ…」
時雨の焦らすような手つきにもビクビクと震え尻尾の入った孔もきゅうぅっと締め付けてしまう。
咲也の孔に埋めこまれたアナルパールを引き抜くとじゅぷっにゅぷといやらしい音を立てる。
孔がローションや体液で濡れひくついているのを見れば時雨は容赦なく屹立を突き立てる。
「ひゃぁんっ ぁぁあっ 時雨っ しぐれぇッ」
アナルパールが入っていたとは言え愛撫も慣らしも無くいきなり突き立てられれば少しの痛みと快感に声をあげる。
「ん… 咲ニャの中に入ったかい?
時雨 ちょっと止まりなさい」
そう言って時雨が四つん這いでも中に入るようにズルリと咲也の身体を引っ張り腰を浮かせる。
体勢を整えてから自分の屹立を時雨の孔にあてがう。
「時雨は前の快感と後ろの快感
どっちが気持ちいいだろうね?」
ニヤリと笑いながら時雨に突き立てて咲也ごと3人で身体を揺らすように腰を打ち付ける。
「ふにゃぁ…っ 一条様 激し…ニャ…ッ」
時雨の身体を挟んで突き上げる振動が伝わってくる。
咲也は時雨の首に腕を回し抱きつき乱れた呼吸のままキスを交わす。
「やあああっ…咲也っんあああああ…ちゅばっ」
咲也の柔らかなナカの感覚と一条様のたくましい屹立の攻めに時雨の顔はだらしなくとろけ
あられもない声で喘ぐ。
「ふふ 二人とも良い声で鳴くね」
二人の喘ぎ声に満足気に微笑みながら緩めることなく時雨の孔を突き続ける一条様。
咲也と時雨の喘ぎ声が混ざりあい見るものをさらに奮い立たせるようだ。
「はあっ…は…さく…ニャ…
もっといい声で鳴いて…
一条様を喜ばせなきゃ… ひゃんっ」
一条様の突き上げに呼応して咲也に更なる快感をあたえるように最奥を突き咲也の恥態を露にさせていく。
「うにゃ… ちゅ 時雨の…気持い…ニャ あぁん」
時雨に抱きついていると一条様の与える振動がさらにはっきりと伝わり時雨と咲也は同時に腰を振る。
それはいつも二人でヤル時よりも激しくペースも早くまだイッテいない咲也はあっという間に限界が近づく。
「ひゃぁぁん にゃぁぁッ
時雨ぇ 一条様ッ くはぁ…っ
イッちゃ…っ うぁぁっ」
「さくニャっ… ご主人様の許可なくイくなんて…
んあっ… どういうつもりなのさっ…」
時雨の声が厳しいものになり快楽に浮かされながらも蒼い瞳を細めて咲也を鋭く見つめる。
「愛撫も無しにいきなり入れただけなのに
もうイッテしまうのかい?
時雨 ちゃんと躾なきゃダメじゃないか」
言いながらベッドのサイドボードに手を伸ばし『おもちゃ入れ』の引き出しからコックリングを取り出す。
時雨の腰を抱くように腕を前に回し咲也の屹立にグッとはめ込む。
「やっぁぁぁッ 一条さまぁ ふにゃッ はぁッ はっ」
イキそうだった屹立を戒められ苦しそうに声を上げる。
一条様が気を利かせて咲也の屹立を戒めるのを見てさすがという念と申し訳なさを感じる時雨。
「ありがとう…ございますっ…ふあっ
本来なら僕がやるべきこと…なのに…
ああっ 申し訳ございませんっ…」
時雨は咲也を叱るようにさらに腰を振って身の程を思い知らせるように。
「あっ にゃぁぁッ ふにゃぁ…ッ」
ドライで何度もイキながらクラクラする頭で発する喘ぎ声は無意識に猫語になっていて。
「私のペースばかりじゃつまらんな
時雨 自分の気持ちいいように
咲也を突きながら
私のを感じるように腰を振りなさい」
難しい注文だが時雨ならできるだろうと分かって命令する。
「は…はいっ、んあっ…
ひゃあんっ…一条様ぁ…」
一条様の半ば無理な注文にも一つ返事で返す時雨。
自らの身体を大きく前後に揺らし咲也の孔から引き抜いたかと思えば一条様の屹立のしっかり埋め込み一条様の屹立を締め付けては咲也の孔を小刻みに擦り付けていく。
熟練の性技が成せる技であった。
咲也の浮かせた腰を時雨が抱き上げ時雨のペースで突いてくる。
慣れたペースが心地よく
「にゃぁぁぁッ きゃぁぁぁ
時雨ぇぇ うにゃぁ…ッ」
と、一層高い嬌声を上げる咲也。
その声に興奮したのか咲也の中で時雨がグッと大きさと硬さを増しその存在感を身体の中心に感じさせる。
一方一条様の屹立をきゅうっと締め付け咲也の中をかき混ぜるように腰を振り一条様へも奉仕していく時雨。
満足そうに微笑みながら時雨の細い腰を抱きながら腰を密着させる一条様。
時雨も一条様の容赦のない的確な攻めに余裕などなく自分がイってしまわないように耐えるのがつらい。
目をつむり、咲也のナカの快感に負けてしまわぬように
「ああっ… ああああっ… やあああっ…」
涙を一粒こぼして声でなんとか紛らわしている。
「あぁぁんっ 時雨 しぐれぇぇ にゃぁぁッ」
咲也と時雨の甘い嬌声が部屋に響く。
もう何度目かわからないドライで浮かせた腰を支えている脚がガクガクと震える。
その振動すら時雨には快感に感じ自身も絶頂が近づいてきているのを感じる。
「咲也 それを外して欲しければ
ご主人様におねだりするんだよ」
優しい声で鬼畜なことを囁く一条様。
「うにゃ 時雨ぇ… もう無理
はぁ はぁ… コレ 外してぇ…」
快感で潤んだ瞳で時雨の蒼い瞳を見つめ苦しそうにお願いする。
「い…いいよっ、僕…も 限界だからっ…」
と、咲也の泣きそうな顔をなでてゆっくり焦らすようにコックリングを外していく。
ようやく屹立の戒めがとかれれば咲也の矯声が響き渡る。
「あっあぁっ にゃぁッ 時雨ぇ ぁぁッ ふにゃぁああッ」
時雨の手でコックリングを外され扱かれれば我慢の限界だった屹立から白濁が溢れる。
果てると同時にきゅうっと孔に力が入り時雨の屹立を締め付ける。
「く… はぁ 私たちもそろそろ限界かな? 時雨」
咲也に締め付けられ動きを止めてふるふると震えている時雨に声をかける。
「前と後ろ どっちが気持ち良いかな?」
意地悪な質問を繰り返しグっと時雨の最奥まで突きたて時雨を攻め立てる。
射精感に時雨の腰が引けてしまう。
それが時雨の孔をさらにいたぶり締め付ける咲也の孔に絡み付きながら抜けていく屹立。
「そんなっ…決められないっ!!
ひやあああああああっ!!」
時雨の我慢もむなしく咲也のナカで精液をぶちまけて時雨はその反動で腰をガクガクとひきつらせて咲也に倒れこむ。
「はぁ は… 時雨… 一条様ぁ はぁ」
体重をかけてきた時雨を抱きとめ息を乱しながら時雨と肩ごしの一条様を交互に見つめる。
「ふ… 時雨らしいな 貪欲で…
正直な身体だ… くっ イクぞ」
時雨が射精し孔を締め付けてくる快感を感じながら時雨の中に熱い精液を注ぎ込む。
「ああっ…一条様ぁ…
お尻焼けちゃいそうです… ぁ…」
攻めでありながら受けという一人二役をやってのけた時雨は力尽きて意識も曖昧。
だらしなく孔から溢れる精液がどうしようもなく淫らに見える。
「はぁ はぁ はぁ… 時雨…」
首に回したままだった腕で時雨を抱きしめる咲也。
自分の下でぐったりと身体を寄せ合う二人を満足そうに見下ろし
「時雨が気に入ったならこれからは
咲ニャと一緒に買ってあげよう」
気持ちの良さそうな時雨の横顔にキスを落とす。
薄れていく意識のなか、一条様の声を聞いた。
こんなに気持ちがいいことを咲也と一緒にできるのなら断る理由もない。
ただ声が出せそうもなかったので『お願いします』
と、呟き眠りに落ちていく。
「はい…ニャ… 嬉しい…です…」
か細い声で応えて時雨を抱きしめたまま咲也も疲れきった身体を休ませるように眠りにつく。
そんな二人の髪をなで優しく微笑みながら布団をかけてやる一条様。
「こんな風に二人を抱けるなら
一年中ハロウィンでも良いな…」
すっかり寝乱れたコスプレ姿の二人を瞳に焼き付けるように目を細めて眺める。
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