第一話
「教育」
夜空も白み始める頃、最後のお客様を見送って
ようやく娼妓としての仕事が一段落し一息ついた少年。
激しい行為のあとの汚れた身体を綺麗に洗い流して
いつものシャツとズボンを着る。
少年には、まだもう一つ仕事が残っていた。
男娼としてそれなりに売れている少年は
新しく入ってくる男娼の子の教育も受けもっている。
もう新人の子は部屋にいるのだろうか。
和室の障子をゆっくりと開けて。
和風を好むお客様のためにと、用意された綺羅びやかな和室に
まだ不似合いな錦織の羽織りを着せられて
垢抜け無いながらも磨けば美しく育つと思われる少年が
布団の横で正座して自分の『教育係』の到着を待っている。
「やあ…こんばんは」
ゆっくりと開いた障子からそろっと入りにっこりと笑顔で挨拶。
目の前には少女とも見える見目美しい少年が正座している。
少年は特段驚く訳でもなくその子に近寄って。
「君が…新人の…えっと…
咲也…くん、だっけ…
僕は時雨、よろしくね?」
あどけない表情で自己紹介して。
どんな屈強の男が現れるかとビクビクしていた咲也は
自分と同じくらい小柄な時雨を見てホッとしつつ
緊張した面持ちで両手を畳に揃えおじぎをする。
「咲也と申します…
ご指導のほど宜しくお願いします」
緊張しているのだろうか、挨拶する声や体が少し震えているのが分かる。
咲也の緊張を和らげようと咲也の隣に座って。
「そんなに堅苦しくしなくてもいいよ?
一応『教育係』だけどこれから同僚になるんだから…
友達感覚で…ね?」
ポンポンと優しく肩を叩いて。
「は…はい」
元々人見知りで物静かな性格の咲也でも
安心できる時雨の優しい声に頬を染める。
「ん… おっけー?」
少し落ち着いたのだろう表情に硬さが抜けていく咲也を見て、一安心して。
「表情はできるだけ明るくね
硬いとお客様が戸惑っちゃうから」
なんとなく教育をはじめて。
「はい…」
両手でペチペチと頬を軽く叩いて顔の筋肉の緩めるようにする。
「あはは… かわいいなあ」
咲也の姿に初々しさを感じて思わず笑みがこぼれてしまう。
咲也との距離をグッと縮めていき…
「これから… 大変だろうけど
この先できるだけ辛くならないように…
シてあげるね」
耳元で囁くと、布団にとんと軽く押し出して。
「…っ はい…」
耳元で囁く甘い声の誘惑にまた頬を染め
時雨に押されるまま布団に横たわる。
「僕の目を見て…」
至近距離で咲也を碧眼でじっと見据えて。
「恥ずかしがっちゃ駄目だよ…」
咲也の唇を細い指でなぞれば柔らかな感触。
そしてゆっくりと一瞬口付けて。
「キスは… 相手の舌を迎え入れるようにね… ちゅ」
「はい…」
『綺麗な蒼…』と心の中で思いながら時雨を見つめ。
「ん… んっ」
唇をなぞられくすぐったいような感覚に目を閉じ。
「ん… ぁ… ちゅ」
初めてのキスを奪われる。
「ふっ… ちゅっ… ちゅっ…
そ…舌を絡めて…」
咲也の口内に舌を差し込んでくちゅくちゅと愛撫していく。
まだたどたどしい動きに咲也の頭を撫でてやりつつ
もう一方の手で着物の内側へ弄っていく。
「はい… ちゅく」
時雨のキスを真似しながら一生懸命に舌を絡め。
「あ…ッ んゃ…っ」
着物の中に入ってきた指に思わず首を振ってしまう。
「だーめ、嫌がっちゃ…」
子供を諭すようになだめて着物の胸元を開いていき。
「気持ちいいって… 感じさせてあげるから」
まだ淡い色の胸の突起を指の腹で撫でてやり。
「ご… ごめんなさい… …ぁん…」
自分が男娼になったことを改めて意識し
時雨の与えてくれる快感に応える。
「ふぁ… は…ぁ…」
初めて感じる胸の快感に無意識に声をこぼす。
「そ…イイ声、どんな感じ?
咲也の声… 聞きたいな?」
爪でかりかりと突起を刺激し、もう一方の突起を舌で愛撫する。
「ぺろり… ちゅっちゅっ…」
「ふぁ…っ あぁ… ぁっ んっっ」
強弱を付けられ左右の乳首にバラバラの快感を与えられ
『イイ声』と言われて恥ずかしくも
声を我慢しないようにする。
「どお…? 気持ち良い?
ちゃんと気持ち良いの覚えてね…」
着物の帯を解き着物を肌蹴させていく。
時雨もシャツを脱いで…
「咲也… 君も弄ってごらん…
僕をお客様だと思って…」
胸を突き出して。
「はい… 気持ち…いい…です」
快感にトロンと潤んだ目で時雨を見つめ。
「あ…」
帯を解かれ袖だけを通した姿になり、おず…っと脚を閉じ。
「こう… ですか…? ちゅく」
突き出された時雨のピンク色の乳首を指でそっと摘み転がしながら
反対側を口に含んで舌を絡ませる。
『うわ…エッチな目』
「ん… そうそう… 上手だよ… 咲也…」
まだ慣れないながらも一生懸命奉仕する姿に欲情してしまう。
時雨の突起は硬さをましてコリコリと弾力を帯びてきて。
それに伴って下半身も熱を帯びてくる。
「ねぇ… 咲也はオナニーって したことある?」
咲也の下半身に手を伸ばして屹立を揉み始める。
「ちゅぅ… はい ありがとうございます」
褒められ照れながら時雨を見上げ。
「…んっ あ…」
いきなり揉みしだかれ困惑の表情を浮かべ。
「…あ …ありません… はぁ…」
びくっと脚を震わせる。
「やっぱり…ね」
見るからに純粋な少年にそんな経験が有るとは思えなくて
咲也の手を取ると咲也の屹立を握らせて。
「ゆっくりと… 扱いてごらん…
初めてだから… きっと天国が見れるよ」
「は…はい… ん…ぁ…」
お風呂に入る時くらいにしかじっくり触れたことのない自分の屹立を
時雨の手に手伝ってもらいながら扱き始める。
「…ふっ あぁ…ん はぁ…っ」
ゾクゾクと何かがこみ上げてくるような感覚が背筋を走り身体を震わせながら続ける。
「うん… エロいね… 咲也…
もっと誘ってみて?」
まだ控えめな自慰に時雨はもっと激しくとふっかけてみて
咲也をM字に開脚させてしばらく自慰にふける咲也を鑑賞して。
「見ていてあげるから…」
「ふ… ぁッ は…はい…」
肌蹴た着物の上で脚を広げ扱き続けながら脚の間に座る時雨を見つめて。
「はぁ… 時雨さ…ん んぅっ」
見られていることが羞恥なのか快感なのか分からなくなって戸惑いながら。
「大丈夫…大丈夫… 恥ずかしくない…
今の咲也はすごく 色っぽくて… かわいいよ…」
先走りが垂れていく幼い屹立見てそろそろ限界かなと考えつつ、太ももやお尻なども触っていく。
「時雨さん…ッ ぁあ… んっ 何か…変…っ」
時雨の言葉に頬を染め快感を感じ始めた自慰を
やめることができずだんだんと激しく擦り上げていく。
「咲也…『時雨』でいいよ…
変になっちゃう? そう、もっと乱れて…」
ああ、かわいい、と襲いたくなるような気持ちをグッとこらえて。
「ほら… いっちゃえ…
はじめてのオナニーで…」
すりすりと絹のような咲也の肌を撫で回して。
「は…い んぁあ…っ 時雨…
ぁあ…っ おかしく… なっちゃ…う はぁんッ」
自分の屹立が今までにない大きさになっていることを手のひらに感じながら
溢れ出しそうな精液をどうしたらいいのか分からず
快感で頭の中が真っ白になって、ぎゅっと瞑った目から涙を零し。
「あっぁぁあああ…ッ」
自分の手の中に白濁を吐き出す。
初めての射精にオロオロする咲也。
手にべっとりとついた精液を掬い取って咲也の口に運んでやる。
「苦いけど…我慢ね?
この味に嫌でも慣れなきゃいけないから…」
純粋な咲也が穢れていく。
少し物寂しいような気持ちになりながら指を舐めさせる。
「…はぁ はぁ は…い… ぺろ ちゅく」
挿し込まれる時雨の指を丁寧に舐めて。
「時雨…あの… …ココも…教えて…」
恥ずかしそうに言いながら自分の精液で孔を濡らして。
今日はせいぜいフェラくらいまでにしようと考えていたが
どこで知ったのだろうか行為をせがんでくる咲也に若干驚いて。
「まだ…慣らしてもない
辛いだけだよ? それでもいいの?」
咲也の孔は指一本でキツキツで。
精液を塗りたくって少しでもほぐそうと。
「お…女将さんに
『最後まで教えて もらいなさい』って…
他の『教育係』の方も居るって聞いて…
その… 時雨に…
教えてもらいたい…です…」
きゅぅきゅぅと孔を締め付け痛みに涙をこらえながら。
やれやれ、女将さんも無茶を言う。
確かに逸材だけどそんなに急かさなくても。
と、内心思いながら、せめて血は出ないようにと精液を十分に孔に塗り
こちらの屹立にもローションを塗る。
「いくよ… 咲也… 力抜いて…」
ローションのおかげかゆっくりだが確実に埋まっていき。
「ひぁんんんん…っ ゃああ…っぁぁ」
身体の中心を貫かれる痛みにシーツをぎゅっと掴み
枕に顔を押し当てて叫び声を少しでも抑える。
「しぐ…れぇ… はぁ はぁ う…動かない…で んぁぁ…」
痛みに声を震わせながらも拒絶はせず。
痛みに耐えてぎゅうとシーツを握る咲也を心配そうに見つめ。
「うっあ… きつ… ちぎれちゃいそう…
咲也… 落ち着いたら… 言ってね…
それまで動かないから…」
「は…い はぁ…っ」
しばらく無言でギュッと唇を噛み痛みに慣れるようヒクヒクと孔を震わせ。
「んぁ… はぁ…っ 時雨
ゆっくり… 動いて?
教えて… 気持いいの…」
「うん…いくよ…」
ふうっと一息ついてゆっくりと腰を振り始める。
慣れていないためか自身の屹立がえぐるように奥へと進んでいき
奥にある前立腺に到達して。
「咲也… ここがイイトコロだよ…」
あまり大きな刺激ならないように小刻みにつついて。
「んぅぅ… はぁん ぁぁ… しぐ…れ… はぁ」
ゆっくり抜けていく感覚とえぐられる挿入に
痛みとは別の感覚が下半身を疼かせていく。
「あっ あぁっ そこぉ…っ
きもち…い…っ」
自分の身体の中にこんな快感を感じる場所があったことを知り、無意識に腰が揺れる。
「すごい… 咲也…
咲也の中すごく気持ちいいっ…」
これが名器なんだなと感じ
初めてなのにもう快感を感じとっている咲也に感心しつつ。
「ここ、いっぱい突いてあげるね?」
徐々に動きは大きくなりガツガツと前立腺を突き出していく。
「あっあっあっ だめぇ…ッ 時雨ぇ…っ
また…変に… なっちゃ…ぅッ
うぅっ あぁんっ」
時雨の動きに合わせて腰を振りながら
さっきイッタばかりの屹立がまた熱くなってくるのを感じる。
「咲也… 変になっちゃえ…
いっぱい気持ち良くなって…
快楽の味を覚えるんだよ…」
孔への突き上げだけでなく咲也の屹立も扱きあげて絶頂に導いていく。
「ああっ… 僕も… 気持ち良いよっ…」
「ふぁぁあ…ッ お尻も… はぁん 前も…っ
気持ち…いいっ 時雨ぇ
ぁあん 気持ちい…っ もっとぉ… はぁあ」
快感で混濁した頭でうわ言のように時雨の名前を呼びながら喘ぐ。
「ああ…咲也…」
体位を入れ替えて向かい合えば、咲也の屹立や胸の突起をいじり
さらに自分の名を呼ぶ小さな口を濃厚なキスで塞いで。
「ちゅぱっ… ふうう… 僕…イっちゃいそう…」
こちらも絶頂が近いのか腰がガクガクと震えしまい。
「んっ ちゅく ちゅ…っ
しぐっ…れ ぁあ 僕…もぅ… ダメ…っ」
すがるように時雨の首に腕を回し抱きつき。
「ん…ぁっぁあああ…ぁあっ」
時雨の手の中で果てる。
手のひらに感じる熱い迸り、色っぽい咲也の吐息、感じる体温。
時雨もとうとう限界がきて。
「ふああああっ… 咲也っ
…いくうぅっ… んああっ…はあっ…」
咲也の中に白濁を注ぎこんでいく。
「ふぁ…ぁぁ…あんッ」
身体の中に熱いものを注ぎ込まれブルブルと全身を震わせる。
ゆっくり引き抜けば、白濁がこぽりと零れてしまう。
初めての体験でぐったりとしている咲也の髪を梳いてやって。
「咲也… よく頑張ったね…
すごく気持ち良かった…
悔しいけど… 僕よりセンスあるかも…」
「はぁ… はぁ…
ううん 時雨が僕の事…
気持よくしてくれたから…だよ」
ぐったりと布団に身体を投げ出しながら
撫でてくれる時雨の手に擦り寄り。
「男娼になるなんて… 嫌だった…けど…
時雨に出逢えて…嬉しい…」
「くす…まだまだ教えなきゃいけないことが山ほどあるよ… 頑張ろうね」
擦り寄る咲也に顔を綻ばせながら……
この二人が売れっ子の娼妓となるのは、もう少しあとのお話である。